宝養生資材(株)異業種からせっけん誕生大手技術で自社特許開花

社会

掲載号:2017年8月25日号

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3種の石鹸を手に笑顔の吉村代表(右)と妻の千恵子さん
3種の石鹸を手に笑顔の吉村代表(右)と妻の千恵子さん

 建築養生材料の販売等を行う地元企業、宝養生資材株式会社(区内菅生/吉村政城代表取締役)が、川崎市が実施している知的財産交流事業を活用して独自のせっけんを開発、7月から販売している。大手企業の技術を生かし、自社で眠らせていた特許技術を開花させた。

 川崎市の知的財産交流事業とは、大企業の開放特許を活用して中小企業の新製品開発等を促す取組。定期的に交流会を実施し大企業と中小企業とのマッチングを進めており、これまで28件の契約が生まれている。

 宝養生資材(株)は2013年6月に富士通(株)とライセンス契約を締結。同社が取り入れた技術は富士通が所有する「チタンアパタイト」に関する開放特許。「チタンアパタイト」とは、有機物の分解や抗菌作用を持ち、強力な吸着力と消臭力を発揮する光触媒物質だ。

 建築養生材料の販売や加工、内装・塗装等を行う宝養生資材。同社では、自社の特許技術「アプリテック」の活用法を探り参加していた交流会で富士通の技術に出会った。「アプリテック」は当初、建築用クリーニング剤として開発されたものだった。強い殺菌力を持つホタテの貝殻をナノ単位まで砕き水に溶かしたもので、作業後の現場を洗浄する際に使用するために生み出した。しかし、乾燥するとホタテの殻が白く浮きでてしまい活用が難しいことが判明。技術を眠らせていた。

 富士通と自社の技術を合わせることで、除菌・抗菌能力に優れ、細菌やウイルスを不活性化するアプリテックの洗浄力を生かせるのではと考え、製品開発に踏み切った。チタンアパタイトを配合したせっけんは世界初。両社の技術により、菌やウイルスを素早く吸着、不活性化させることができ、より強力な抗菌力を持つせっけんが生まれた。

販売までに4年

 同社でのせっけん開発は初めて。苦労も多かったという。「香りや泡立ちに納得がいかず、配合量を変えて試行錯誤した」と吉村代表。7月の販売にこぎつけるまで約4年。夫婦二人三脚で取組んできた。「周囲の協力のおかげでここまで来られた。自社で持て余していた技術を活用できて嬉しい」と話す。せっけんは外国人観光客向けの贈答用セット、消臭力が高い男性向け、死海の泥を配合した女性向けの3種。ネットショップで購入できる。

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