高津消防団 団員充足率100% 「地域の理解度高い」と署員
全国的に消防団員の減少が続いている。川崎市消防団は近年大幅な減少はなくほぼ横ばいだが、充足率は約89%と定員を割っている。地域の防災力の縮小が危惧される中、高津消防団(河原金藏団長)では定員を満たし順調な推移を辿っている。その理由を探った。
昭和40年、全国の消防団員数は130万人を超えていたが、現在では約88万人と減少が加速している。「地元の自営業者が減る一方でサラリーマン家庭が増え、なり手が減っている」(高津消防署)ことが要因の一つ。地域防災の中核として消防団の役割は大きく、その減少は近年大きな課題になっている。
川崎市においても団員の確保は急務で、消防団の活発なPRを行うとともに、市内全域のバスの社内へポスター掲示をするなどの取組みを行ってきた。
高津消防団は現在定員135名中134名(他1名入団予定)で充足率は昨年に続き、ほぼ100%を達成している。団員たちの強い団結やネットワークによる”口コミ”に加え、高津消防署(佐久間真一署長)のバックアップも好調をキープするポイントになっているよう。
同署は昨年6月より消防団の活動報告を兼ねた「たかつ消防たより」を発行し、町会会長に直接届けて情報共有を図っている。中学生に地域防災の担い手として活躍してもらうことを視野に入れた「ジュニアハイスクール消防隊」を始めとする様々な事業を企画し、積極的に消防力をアピールし広がりを見せている。署員によれば「町会からの推薦はもちろん、入団を自ら希望する人もいる。防災意識と地域の理解度が高いといえる」とのことで層の厚さが目を引く。
自ら志願「地元で地域貢献を」
作延分団下作延班の新井智洋さんは入団2年目の28歳。会社の先輩が消防団で活動しているのを知り、興味を持ったという。「地元を知りたいし、地域に何か貢献できれば」と入団について消防署に相談した。
これまでに出動したのは5回ほど。自分で判断して動く先輩たちの背中を追いかける日々だ。定例の会議や様々な訓練を通して、地域との関わりに魅力を感じていったという。「幅広い年代の知り合いが増えたことが楽しくもあり、やりがいになっている。地元に根付いている、という気持ちになれる」と新井さん。
同班の村田和実副分団長は「若者に入ってもらうのはどこの団でも嬉しいこと。下作延班は若手が多い班で、高津消防団全体を見ても比較的経験豊かな団員と若者とのバランスがとれていると思う」と話していた。
高津消防団に関する問合せは高津消防署(【電話】044・811・0119)へ。
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4月19日