6月目途 医療救護所ネット発足へ 「災害に強いまちに」
高津区では、地域防災力の向上を目指した「(仮称)災害医療救護所ネットワーク会議」の発足準備が進められている。災害発生時の各機関や住民らの役割を明確化し、円滑な救助体制を構築することが主な狙いで、6月を目途に立ち上げたい考え。
救護所ネットは、行政・学校・企業・医療機関等の連携で区の防災対策を強化しようと昨年11月に発足した高津区防災ネットワーク会議の一分科会として位置づけられている。
防災ネット発足時、座長に就いた当時の区長、船橋兵悟現総務局長が救護所ネットを立ち上げたい考えを表明していた。3月には関係者を集めた情報交換会を開き、設置の了承を得た。
救護所ネット構想に含まれるのは、現在、医師会や歯科医師会、薬剤師会、看護協会、帝京溝口病院、看護専門学校など。災害時、区内各地に設置される医療救護所の運営及び救護活動を、各機関や地域住民の連携により効率的に進める。
災害規模や傷病者の発生状況に応じて開設される区内の医療救護所は市立中学校5ヵ所と休日急患診療所、区役所の計7ヵ所。
被災地の課題も考慮
高津区役所保健福祉センター・大塚吾郎所長によると、首都圏の災害では救護所等からの救援要請に対して、医療活動の供給量が特に少ないことが予想されることから、救護所ごとの状況を把握し、限られた人員、資源の中で効率的に活動することが求められる。それには「医療救護所の運営は被災地全体のもの」として捉え、医療活動を行う医療機関と、被災人数の把握や救護活動を行う住民の連携も大切だという。
大塚所長は東日本大震災の被災地で活動した際、透析患者約30人が移動先の避難所で治療は受けているものの、3週間経ってもプライバシーが守られない現状を目にし、一般の避難所への支援との温度差を感じた。「どこで何が不十分なのか。また足りない中でもしのげるもの、そうでないものといった被災時の想定を共有することが重要。高津を災害に強いまちに」
11月に地域で実施される防災訓練に救護所ネットとして参加することも検討中。
防災ネットの座長を務める秋岡正充高津区長は「現状認識と情報交換を進め、災害時に地域で自動的に救護所が立ち上がる仕組みができれば」と期待を口にした。
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