東日本大震災の津波で流された木材で製作したバイオリンを世界1千人のバイオリニストがリレー形式で演奏する「千の音色でつなぐ絆コンサート」が繰り広げられている。5月7日には幸区のミューザ川崎シンフォニーホールで開催。洗足学園音楽大学でバイオリンを教える水野佐知香さんや、坂戸小学校の合唱団も演奏会に花を添える。
「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトは、バイオリンドクターの中澤宗幸氏が発案。東日本大震災の津波で流された家の床柱や梁(はり)などの木材を使って製作したバイオリンの音色を各地で聴いてもらうことを目的にしている。この取り組みの賛同者が「命をつなぐ木魂(こだま)の会」(又川俊三会長)を組織し、東日本大震災のためのチャリティーコンサートを開いている。震災の記憶を風化させず、世代を超えて語り継ごうと、プロ、アマ総勢1千人のバイオリニストがリレー形式で演奏する。
ミューザ川崎でのコンサートを主催する社団法人倫理研究所の川崎市南倫理法人会(佐藤義浩会長)は、企業の人材育成や企業モラルなどを学ぶ集まり。昨年11月、木魂の会の又川会長をセミナーに招いたのが縁で「川崎市民にもバイオリンの音色を聴いて復興支援に協力してもらえたら」と演奏会の開催を企画した。又川会長は倫理研究所の倫理経営上級インストラクターも務める。
当日は、バイオリニストで横浜文化賞を受賞した水野佐知香教授が演奏。水野教授は「がれきから甦ったバイオリンを、震災の被害から甦ったミューザ川崎で演奏できる喜びを噛みしめています」と語る。
電子オルガン奏者の赤塚博美洗足学園音楽大学教授も、当日演奏を披露。「仙台で生まれ育った私にとって、東日本大震災は大変つらい思い出。演奏会では、素敵な音楽をたくさんの愛とともにプレゼントしたい」と話している。
坂戸小学校の合唱団に所属する小学4年から6年の児童36人も出演。合唱団を指導する同校の中島はるみ先生は「子どもたちの歌声が震災からの復興の役に立てば嬉しい。聴いている人に少しでも元気になってもらいたい」と意欲を示した。
そのほか、タップダンサーのHIDEBOHさん、バイオリニストの皆川真理奈さん、ソプラノ歌手の山口和香さん、洗足学園の合唱団などもステージに立つ。
午後6時開場、同6時半開演。全席自由で、前売り2500円、当日は3000円。詳細は神奈川県倫理法人会事務室(【電話】045・716・6651)まで。
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