押し花教室の主宰者で、バリ芸術文化友好勲章を受章した 上條 睦子さん 梶ヶ谷在住
心の絆 押し花で紡ぐ
○…「花には人を癒すエネルギーがあると信じています」。2001年、梶ヶ谷に押し花教室「コーラルフラワー」を開設。以後、平日はほぼ毎日、さまざまな生徒に作品作りを教えている。押し花を活用したアートセラピーに着目し、ここ数年は区内のデイケア施設で、高齢者への制作指南を継続。4月に高津市民館で開いた、生徒の作品展示会を振り返り「今年も大好評だった」と微笑んだ。
○…自身の力作は国内外で高い評価を得ている。昨年10月、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の交流40周年を記念し、インドネシアで開かれた「バリ芸術の力展」に作品を出展。サンゴ礁が広がり、ウミガメや魚が静かにたゆたう海中の景色を、色彩豊かな花々で表現した。来場したバリの王族をはじめ、多くの人々の絶賛を浴び「バリ芸術文化友好勲章」を受章。知らせを聞いて「驚いたし、感動した。届いたメダルが重かった」。
○…熊本市生まれ。「母方の家が、洋服の仕立て屋。小さいころから服の色合わせをして遊んでいた」。学生時代はテニスやハンドボールを楽しみ、青春を謳歌した。服飾業界に職を得て、コーディネートなどの仕事に従事。退職直後、都内の美術展で目の当たりにした作品に衝撃を受けた。いちごの実の押し花だった。「こんなにきれいな作品があるんだ」。押し花の放つ不思議な魅力に、一気に心を掴まれた。いまでは「10数年間、朝から晩まで花を扱う作業をしているけど、疲れない。それは花の力に癒されているからだと思う」。
○…ハワイが好きで、毎年夫婦でマウイ島へ。「とっても居心地が良い。そよぐ風から花の香りがするの」。趣味のスキューバダイビングで出合う「美しい海の世界」は、創作活動への新たな発想をくれる。将来の夢は、誰もが自由に行き来できる「オープンなアトリエ」を開くこと。作品と笑顔を架け橋に、人々の心に豊かな花を咲かせたい。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
4月19日