高津物語 連載第八七三回 「高津区制四十周年記念誌」
一、一昨年私達の高津区は、昭和四七年の誕生以来、四十年の歳月が経過した。
これを機に「高津区制四十周年記念誌」が刊行される事となった。私も記念誌編纂委員の一人として、お手伝いする事となった。
記念誌の目玉は、何と言っても『高津区に生まれた芸術と文化』欄―四十二頁に収録された「与謝野家と高津―その縁と想い-―」だと思われる。与謝野鉄幹、晶子夫妻の三女佐保子さんを養女として育てた御宅が、高津区下野毛にある。与謝野晶子は、しばしばここを訪れ、娘三女佐保子への思いを歌にしたという。他人様に公表する歌ではないので、落款は押されてはいないが、この地の風景を詠んだ貴重な二句だ。
「こおろぎの
きよくさびしく
なきいでぬ
雲の中なる
奥山にして」
晶子
「山々の
たちどもすかと
思われぬ
霜しろくふり
かわひろくして」
晶子
二、鉄幹・晶子夫妻の和歌が、「高津小学校同窓会」機関誌『光』第三号に掲載されている。
大正十一年五月十五日が、同誌の発行日である。
「近作より」
「二葉より紫しつつ
羨まれ 摘まるる
運を持てる
苗かよ」
与謝野 鉄幹
「梨の花
棚にさきつつ
ほのかにも
夕べの影を
うつしたる壁」
与謝野 鉄幹
「近作より」
「金星が
身をすり寄せて
初夏の 夕べを嗅げる
橄欖の島」
与謝野 晶子
「巻き上げし
髪のゆうなる橄欖と
夕焼雲の
静かなる時」
与謝野 晶子
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