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高津区版 公開:2017年2月3日 エリアトップへ

高津物語 連載第九八二回 「マンション建設反対運動」

公開:2017年2月3日

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 昭和五八年、文教大学溝口小学校幼稚園跡地は藤和不動産に売却、七階建てのマンションを建てるため、市に「国土利用法・公有地拡大推進に関する法律」で事前に届け出た。川崎市は届け出を審査して認め、同不動産は売買契約を結んだ。

 日影・風圧・電波障害等地域住民や隣接する高津小学校への影響は計り知れず無秩序な市街化が進む大山街道の由緒ある風致も、この建設で一変してしまう─地元の危機感は広がった。

 既に地元説明会も終り、マンション建設工事は、急ピッチで着工されようとしていた―絶体絶命で、急遽「跡地の会」が組織されたが、繰り返される対策会議にも重苦しい空気が流れた。

 が「この跡地はかつて川崎市有地であり、この土地を川崎市が再び買い上げて公共施設を作るべきだ」との正論も無くはなかった。

 が、川崎市の担当者は「既に売買契約は終わっている」と会員に応えていた。

 一方川崎市議会決算特別委員会も問題を重要視して「住民の意向を汲み、川崎市が買収すべきだ」と、強く市長に迫った。この動きに弾みを得て、「跡地の利用を考える会」も六四〇世帯に拡大、署名陳情活動は大きな拡がりを見せた。

 十二月三日市会決算審査特別委員会は「今後の土地利用を図る上で、住民ニーズを反映する様、最大の努力をする」と述べている。

 市民の声で旧市有地と知った伊藤三郎市長は「高津区は公園用地が少ない―公園用地として買い戻せ」と小松企画調整局長に「買い戻し」を指示した。

 『建築を認めたマンション用地、買い戻す』と当初価格より、総額では約二億円高い十六億二千万円で川崎市土地供給公社が、買い戻す事となり、正式契約は三月二六日に結ばれた。

 伊藤三郎市長は「『市長一声十六億円』で、今回は私の政治判断で決めた。確かに、不動産の情報収集がきちんとしていれば(藤和不動産が買う前に)川崎市が買い上げることも出来た」と浮かぬ顔だ―と四月十日付の、「読売新聞」が伝えている。(「跡地の会」は「辛夷の木」を溝口緑地に寄贈、公園緑地に対する伊藤三郎市長の礼状も届く)四月十日付読売新聞。「跡地の会」田村富彦代表は『住民運動の勝利、会は存続させ、跡地利用について考えて行きたい、と話した』と、当時の新聞は伝えている。
 

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