川崎市は４月26日、人口が１５０万人を突破したと発表した。交通利便の良さなどによる若年層の転入増や、出生数が死亡数を上回る自然増などが要因。人口減少社会の中、都市の活気ととらえる一方、市では待機児童問題の拡大、人口密集地の災害対策といった課題対応も必要としている。
川崎市は１９２４年、人口５万人で誕生。政令市になった翌年の73年に１００万人を超え、２００９年には１４０万人を突破。同年以降は、市内７区すべてで人口増加が続いていた。
増加の状況をみると、転入者の増と安定的な出生数が特徴的だ。転入者増加について15年の国勢調査によると、10代後半から30代前半の世代で転入が転出を上回る。特に20代前半が顕著で20〜24歳の転入転出の差は１万４千人を超える。
また出生数に関しては07年から10年間、毎年１万４千人を超えている。16年の出生数から死亡数を引いた自然増では、全国20政令市の内14政令市が減少している中、川崎市はトップで、３１１９人の増となった。
この状況を生んでいるのが、中原区武蔵小杉駅周辺の再開発や幸区の工場跡地の大規模マンション建設に象徴される集合住宅の供給増や、若い世代を中心にまちのイメージが改善され、都心へのアクセスの良さや、スポーツ、文化の点で評価されていることがあげられる。加えてその世代による安定した出生数もある。
一方で、市では人口が増え続けることによる課題対応が必要としている。
４月26日の会見で福田紀彦市長は課題として、若い世代の増加と直結する待機児童問題や、政令市で一番面積が狭い中、人口密集地としての災害対策、そして新旧住民との融和などを挙げた。急速に進む高齢化対策や、想定される人口減を見ながら、取組みを強化していきたいと話した。
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