川崎市内3カ所の児童相談所で受けた2016年度の児童虐待相談・通告件数が過去最多を更新した。15年度に比べ214件増の2134件。市は市民の中で通告義務の認識が高まる一方、家庭内暴力等の目撃が影響する心理的虐待の増加も要因と見ている。
今回発表された児童虐待相談・通告件数は16年度に市内3カ所の児童相談所(こども家庭センター、中部児童相談所、北部児童相談所)で受けたもの。その後の調査で虐待の事実がなかったものも含まれるが、市では虐待の増加は「感じられる」という。
15年度に比べ200件以上の増加を見せたことに対して市では、通告義務の認識が市民の中で高まったことを一因としてあげる一方、直接的な虐待の他、夫婦間の激しい言い争いや暴力を目撃することで心に傷を負う心理的虐待の相談・通告件数の急増を指摘する。
外面「川崎市内児童虐待」から続く
「心理的虐待」が増加
事実、心理的虐待の前年度比は188件増で、身体的(36件増)、性的(3件増)、
ネグレクト(13件減)と比べ大きな伸びを示している。また件数も1237件と全体の半数以上を占め、身体的(473件)、ネグレクト(402件)、性的(22件)と比べて非常に多い傾向にある。区別で見ると最多が川崎区の538件で、他6区は中原区351件、高津区292件、幸区282件、宮前区241件、多摩区224件、麻生区199件となっている。市は川崎区が多いことに関しては様々なことが関係しているとした上で、市北部地域に比べて繁華街が近いことを挙げた。
繁華街は誘惑も多く、子どもたちにとって家庭での虐待の逃げ場となることがあり、補導から虐待の発覚につながるという。
児童虐待防止に市担当者は「まず子育てに関して独りで悩まないこと。関係機関の相談窓口を積極的に活用してほしい。一方で地域では悩みを聞いてあげられる関係づくりや子どもたちの変化を見逃さない見守りの目をもってほしい」などと話した。
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