地震その時 区内の声
3月11日の東日本大震災は多摩区で震度4の揺れを記録。区内の住民や従業者にも大きな衝撃与えた。
その時、本紙記者2人は打ち合わせ先に向かうため枡形6丁目で社用車を走らせていた。カーブミラーの揺れにすぐに異常事態と気づいた。車を止めると北野天神社の崖地の木々が折れんばかりに揺れる様子に恐怖を感じ、慌ててその場を逃げた。「早く山から離れて」と夢中で通行人に声をかけていた。
ダイエー向ヶ丘店近くの保険代理店に勤める田中光太郎さん(36・多摩市在住)は地震当時、店内にいた。「今まで体験したことのない揺れだった」と驚いた。宮城県沖地震を体験した人が偶然店内にいて「この揺れは危険。外に出たほうがいい」と誘導してくれたという。隣接するダイエー本館は安全確保のために全店営業を終了した。
稲田堤駅近くでエステサロンを経営する女性(55・菅在住)は「施術台が横に移動したが、小物や機械は無事だった。マンションも大丈夫だったと思う」と話す。施術の予約が入っており、予定通り来客したので施術を行ったという。
稲田堤で食品販売を営む女性(52・菅城下在住)は「結婚するまでは岩手に住んでいた。大きな地震は何回か体験しているので今回の揺れはそこまで怖くなかった」と冷静だった。同店に荷物を届けにきた宅急便の配送者は「揺れがひどくて車酔いのような状態だ」と話していたという。
登戸で古物商を営む竹村享さん(35・登戸在住)は地震当時、在庫品の一部が落ちたり、比重計の水がこぼれたりして「店内が騒然となった」という。身の危険を感じて外に出たところ、「商店街のほとんどの店員さんが外に飛び出してきた。電線が揺れ、みんな心配そうな顔をして上を見つめていた。道路に座りこんでいる人もいた」と振り返った。
稲田堤で雑貨店を営む薬師寺香子さん(46・横浜市在住)は「長い揺れだった。ガラスのインテリア小物がいくつか棚から落ちたがひどい被害にはならず、ほっとしている」と安堵の声をもらしていた。自宅へは電車の復旧を待ってから京王線に乗って帰ったという。
荒川健一さん(39・町田市在住)が勤める区内の仏壇販売店では目立った被害はなかった。「川崎市内の店舗はいずれも問題なかったようだ。北関東の店舗情報はまだ入ってきていないので不明」。従業員のひとりは江戸川区の自宅まで歩いて帰宅。約7時間かかったという。
生田で雑貨店を営む女性(36・相模原市在住)は町田に行く予定があり、小田急線生田駅に入ったところ「カタカタと揺れ始め、いつもと何かが違うと思った。揺れが大きくなると乗降客は動けず立ちすくむ人が多かった」と振り返る。当日は通常よりも早く店を閉めて車で帰宅した。相模原市は停電しており「まちが静かで少し怖かった」。
地震の時、北海道千歳市にいた宿河原在住の宮本浩巨さん(50)は千歳空港へ向かう途中で地震が起きた。「羽田空港から六郷橋まで車で4時間もかかり、とても疲れた」
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4月5日