川崎市は12日、高経年マンションの耐震化促進を図るため、関連の細則を制定し、一部を改正する案を発表した。住民の5分の4以上の賛成でマンション敷地を売却できるようになり、市長の許可で容積率を緩和できる特例が盛り込まれた。この制度改正で耐震化は円滑に進むのか、市は市民からの意見を受け付けている。
市長許可で容積率緩和も
昨年12月に施行された国の改正マンション建て替え円滑化法を受けて、川崎市が細則を定めた。「市マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行細則」を制定し、「市建築物の耐震改修の促進に関する法律施行細則」を一部改正した。
対象は1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションで耐震不足と認定されたもの。市建築管理課によると、川崎市内に存在する旧耐震基準で建てられたマンションや共同住宅は推計で1万9600戸あるという。
今回の改正は建て替え促進を図るのが狙い。そのポイントの1つが、マンション敷地売却制度の創設。耐震性不足の認定を受けたマンションについて、区分所有者の5分の4以上の賛成でマンションやその敷地の売却を行う旨を決議できるようになる。従来は原則全員の同意が必要で、多数決での売却はできなかった。
もう1つのポイントが、容積率の緩和特例。新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するケースは、特定行政庁(都道府県知事および人口25万人以上の市の市長)の許可によって容積率制限が緩和される。
ただ、国の制度改正を巡っては問題点を指摘する声もあがった。▽住民の高齢化で建て替えるための資金を調達できない▽反対する住民の住居確保と合意形成が難しい▽容積率緩和によって高層化マンションが乱立――といった課題も浮かび上がる。
川崎市は現在、市民からの意見を受け付けるパブリックコメント実施している。改正の概要は川崎市のホームページや各区役所の市政資料コーナーなどで閲覧できる。意見の提出は郵送か持参、ファクシミリ、電子メールで3月13日まで受け付ける。
問い合わせは、まちづくり局建築企画担当(【電話】044・200・3018)。
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