市政報告 行き場のない患者をつくらないために戦略的地域医療の提言 川崎市議会議員 三宅隆介
私たちの住む多摩区は、医療計画上は「川崎北部医療圏」に属している。
この地域は人口あたりの療養病床が極端に少ない地域である為、多摩区に住む高齢患者の地元病院への入院を困難にしている。
驚くべきことに、この地域の入院患者のうち、31・5%が市外居住者となっており、その事がまた多摩区に住む患者の行き場を一層狭めている。
因みに私は、療養病床の少なさが救急車の現場滞在時間を長くしていることを既に議会で証明した。その解決策として『重症患者救急対応病院』を創設するに至って、救急車で病院に運ばれるまでの待機時間は劇的に改善した。
一方、新たな問題として、本市には791床の余剰病床が生じているのだが、病床の利用率は近隣医療圏でほぼ最低となっている。新法が制定され、利用率の低い医療圏の病床は減らされる可能性がある。病床は貴重な公共財であり、これ以上の削減は市民利益に反する。
入院したいが病床が足りない・・・なのに利用されていない病床が多い・・・、という奇妙な現象は、医療政策上の最大の矛盾である。
原因は明白で、他の医療圏からの流入患者を含めた医療需給のミスマッチにある。 よって、それを解消する為には、県が策定しようとしている医療構想に、本市の実状に合った取組をいかに盛り込むかが重要となる。
私は、病床の効率的な運用計画を含め、戦略的な解決策を引き続き市議会において建言し、医療政策の抱える様々な矛盾を解消していく決意である。
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3月29日