富士通スタジアム川崎(旧川崎球場)のギャラリーが今、賑わっている。野球ファンが訪れ、往時を懐かしみながら記念撮影に興じている。
「大切にしたいのは市民に愛された川崎球場で紡がれた歴史を後世に伝えていくこと、これから始まる富士通スタジアム川崎の歴史を積み重ねること。そして異なる世代が繋がっていくこと」と支配人の田中育郎さん。
ギャラリースペースは今年4月に開設された。川崎フロンターレが指定管理者として運営する。
1951年に開場した川崎球場は、王選手が初めて一本足打法を披露し、通算700号本塁打を達成した場でもある。1960年には日本シリーズが行われ、同球場を本拠地にしていた大洋が川崎時代唯一のタイトルを手にした。ロッテが本拠地にしていた時代には、近鉄バファローズとの死闘を繰り広げ、プロ野球ファンの間で語り草となっている「10・19」の死闘もここで生まれた。
ギャラリーに展示されているのは、同球場を本拠地にしていた大洋とロッテのユニホームや帽子、川崎球場で行われたオールスターの告知ポスター、91年の集客キャンペーンで話題となった「テレビじゃ見れない川崎劇場。」のポスターなど。野球殿堂博物館、千葉ロッテマリーンズ、日本プロ野球OBクラブ、川崎市役所、池田記念美術館などから資料を借りたという。
同スタジアムのリニューアルの際に倉庫から発見されたお宝も展示。大洋が優勝した時に製作された野球手帳は55年間手付かずのまま保存されていたという。
野球に加え、現在同スタジアムが利用されることが多いアメリカンフットボールに関する資料も充実。日本アメリカンフットボール協会から預かった専門誌は80年代のものから最新号まで揃う。同スタジアムに来場したチームのタオルマフラーが展示されている。
今後は定期的に展示内容を変える予定で大規模なプロレス興行やモトクロスの大会、レゲエのライブなども行われていた歴史も紹介していきたいという。
田中さんは「市民の皆様から過去の情報や埋もれた歴史を教えてほしい。球場に関する貴重な品々もお貸し頂けたら」とも話す。
ギャラリーは午前10時から午後8時まで。年中無休。入場料は無料。問い合わせは同スタジアム(【電話】044・276・9133)。
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