公益社団法人川崎市医師会(高橋章会長)は医師会館を中原区内に移設し、2017年6月に供用を開始する方針を示した。先月31日、中原区役所前の暫定駐車場跡地を市から約6億4500万円で購入した。
川崎市医師会館は現在、川崎区宮前町にある。市内約1200の会員をまとめる事務局と看護学校が入っているが、建物の老朽化などを理由に移設が検討されていた。
今回、医師会が市から購入した土地の敷地面積は725平方メートル。地上7階建て、延べ面積は約3300平方メートルの新会館を建設する計画。1階は駐車場、2階は中原休日急患診療所、3階は会議室、4階は在宅医トレーニングルームと読影室、5階から7階は事務所となる。また、4階は災害時に災害対策センターとしての機能を持ち、約160人の帰宅困難者の受け入れが出来るようになるという。
来年3月上旬に着工し、2017年6月上旬に供用を開始する。
市医師会事務局は「川崎市の中心地に移ることで会員の集まりの効率化が図れる。また、災害時の帰宅困難者の受入れができるようになり、より市民に必要とされる施設にしたい」と話している。
中原休日診療所は現在、中原区役所隣りに立地し、アクセスが良いため、多摩区や高津区の住民が利用するケースもある。年末年始には1日に200人を超える患者が訪れることもあったという。診察室が2室しかなく、長い待ち時間が問題視されていた。また待合室も狭く、立ったまま待たされるケースもあった。
新しい診療所は待合室を広くし、約100人分の席を確保する。診察室を3室設置し、感染症に対応した診察室も設置予定。モニター番号や電子カルテを導入し、待ち時間の改善も図る予定だという。
市健康福祉局医療政策推進室では「休日診療所の狭さや待ち時間は以前から課題になっていた。医師会が管理運営を行うことで柔軟な対応ができればと期待している。また、災害時の医療拠点があるのは市民にとって安心」と話している。
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