多摩区まちづくり協議会の2代目会長に就任した 葛生(くずう) 茂さん 宿河原在住 67歳
「三方よし」で課題解決
○多摩区と区民が協力してまちづくりに取り組む「多摩区まちづくり協議会」の会長に就任した。区内で活動する市民グループを支援したり、自らも区内に課題を発見し解決を目指す。33人の委員を中心に多摩区のまちづくり活動を推進していく。「委員一人ひとりがいろんな思いで集まっている。それぞれが持つノウハウやスキル、知見を出してもらって、さまざまなことに取り組んでいきたい」
○…地域活動に取り組むきっかけは5年前の東日本大震災。定年退職の年に発生し「社会貢献をしなければ」という思いを強くした。専修大学の社会人向け講座で少子高齢化や環境保護などの社会問題の解決にビジネスの手法を取り入れた「ソーシャルビジネス」を学んだ。同時期に知人の依頼で、石巻市で被災したカキの養殖事業の再開に尽力。会社員時代の経験を生かす作業所を再建した。「ボランティアとビジネスの融合を体感した。まち協でも、課題に対し地域の受け皿をどう作っていくのかが大切」
○…稲田小学校、稲田中学校、多摩高校と地元で学生時代を過ごした。大学ではヨット部に所属し青春を謳歌したのち、大手商社に就職。近江商人にルーツを持つ会社の理念「買い手よし、売り手よし、世間よしの三方よし」を叩き込まれた。「近頃よく言われている『ウィンウィン』の関係では一つ足りない。三方よしはソーシャルビジネスにもつながる考え方。住んでいる人のためになる事業をして、多摩区全体がよくなっていけばいい」
○…お人よしで頼まれると断れない。大学のヨット部OB会の副会長のほか、地域でも子育てボランティアや民生委員を歴任。先輩から貧乏くじをひきやすいと言われたこともある。「どんなことでもやるからには責任を果たしたい。団塊の世代は人数も多い。若い人は働いているし、まちの課題解決の担い手は我々しかいない。元気なシニアの潜在能力を生かしたい」
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3月29日