南武線の前身、(株)南武鉄道が1927年(昭和2年)3月9日に川崎〜登戸駅間を開業してから今年で90周年を迎える。これを記念して、JR東日本横浜支社では記念列車の運転や展示イベントなどを実施する。
南武線の起源となるのは1919年に誕生した「多摩川砂利鉄道」。多摩川の砂利などの建築資材の貨物輸送車としてスタートした。その翌年に(株)南武鉄道が設立され、「南武鉄道」に名称を変更。1927年に川崎〜登戸駅間の本線と矢向〜川崎河岸駅(72年廃止)間の貨物支線が開業した。当時の駅は11駅で、同年に久地梅林駅(現在の久地駅)、武蔵中丸子駅(平間駅と向河原駅の間)、グラウンド前駅(現在の武蔵小杉駅)などが誕生していった。44年に国有化され、駅は戦争での焼失や併合、廃止などで変遷を遂げた。車両の種類も移り変わり、このほど全車両が2014年度から導入を開始したE233系に統一される見通しだ。
3月9日から記念列車
90周年記念のロゴマークは、南武線が貨物輸送線と旅客輸送線の2つの役割を持って誕生したことをイメージ。連結された客車と石積車が路線を模した「90の輪(和)」を走るデザインで、南武線の歴史と地域のつながりを表現しているという。
このロゴマークを3月9日(木)からE233系の1編成にヘッドマークとして取り付け、記念列車として運行する。初日の臨時運行(時間未発表)を皮切りに、その後も定期便として川崎〜立川間を走る。車内には南武線にまつわる写真が中吊りに展示される。
3月1日(水)からは川崎〜登戸駅間の各コンコースで思い出の写真や歴史年表を展示。武蔵小杉駅の横須賀線との連絡通路には、一般公募した「あなたが描く90年後の武蔵小杉駅」の絵が展示される。同社の担当者は「これまで南武線をご愛顧いただいているお客様への感謝の気持ちを込めて企画している」と話している。
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