多摩区内で今年3月から4月にかけて、不審な電話が急増している。4月に入ってから連続して6件の特殊詐欺、いわゆる「振り込め詐欺」が発生し、被害額は約700万円だった。多摩警察署では危機的状況ととらえ、区民に注意を呼びかけている。
多摩区内で昨年1年間に発生した振り込め詐欺の認知件数は27件、被害総額は合計約1億3900万円。今年はすでに「オレオレ詐欺」10件、「還付金詐欺」3件を含む15件の発生を認識しており、昨年の半数を超えた。被害額は約2500万円(4月25日時点)。
年度替わりに還付金詐欺
多摩警察署によると、春は年度が替わる時期を狙った還付金詐欺が増えるという。区役所の職員を名乗り「あなたに医療費の還付金がある。銀行口座を教えてほしい」「保険料の戻りがある」「年金課から振り込みたい還付金がある」などと話し、金融機関のATMへ誘導する手口が目立つ。
また新しい手口として、警察官を名乗り「あなたの口座が犯罪に使われている。通帳と印鑑を受け取りに行くので渡してほしい」と話す場合があるという。
多摩警察署生活安全課の廣澤健太郎課長は「電話で詐欺と見破った人は、手口の内容を覚えていて、以前に聞いたことがある話しと気付き、被害を防ぐことができたという人が多い。電話でお金の話をされたら、疑いの気持ちをもつよう意識してほしい」と注意を促している。
県下で急増前年比1・6倍
昨年1年間、神奈川県下で発生した振り込め詐欺を含む特殊詐欺の認知件数は1286件。被害総額は40億8700万円に上る。今年に入ってから3月までの速報値は、認知件数438件で前年比約1・6倍、被害総額は約9億9900円で、前年比約1・1倍となっている。平均すると、昨年よりも速いペースで詐欺が発生している。
不審な電話があった場合の通報や相談は多摩署【電話】044・922・0110。
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