多摩区版 掲載号:2017年5月12日号

先月、多摩消防署の署長に就任した

白石 与志夫さん

海老名市在住 58歳

「安全第一」優しい眼差し

 ○…約140人の署員の指揮を執る。就任時には「自分の仕事に誇りを持ってほしい。プロとしてやるべきことをやろう」と呼びかけた。2001年に宿河原出張所の所長を務めた経験があり、多摩区に配属されるのは4回目。あいさつにまちに出ると見知った顔も多く、「地域の方々が温かく迎えてくれて、懐かしい気持ちになった」と嬉しそうに語る。

 ○…消防士になって、忘れられない出来事がある。1989年8月に高津区蟹ヶ谷で発生した自然災害だ。前夜からの集中豪雨で崖が崩れて、民家が倒壊。救出作業にあたっていた隊員が二次災害に巻き込まれ、12人が重軽傷を負い、3人が殉職。初めて配属された高津消防署で面倒を見てくれた人の突然の訃報に胸が痛んだ。「危険と隣り合わせの仕事だということを再認識させられた出来事。決して忘れちゃいけないこと。若い人にも伝えていかなくては」

 ○…埼玉県出身。自宅近くに消防署があり、小学校の頃から登下校の際によく訓練を見ていたのを覚えている。大学は体育学部に進むほど、体を動かすのが好きだった。保健体育の教員免許を取得し、教師への道を考えた時もあったが、レスキュー隊への憧れと「人の役に立ちたい。助けたい」という思いから消防士の道へ。「この道を選んでよかった。身近な人を手助けできる。先輩や上司、同僚に育ててもらった重責を感じる」

 ○…週末はいい汗をかこうと、ジムのマシンを使って筋力トレーニングやランニングに励む。気分転換は妻とのおでかけ。「女房の買い物についてくのが好きでね。スーパーでカート押したりして、いいリフレッシュだね」と照れ臭そうに笑う。そんな休日にも、ふとした瞬間に勤務中の署員を思う。「梅雨や台風の季節には特に怪我しないように、何もなければいいなと思う。安全管理を第一に、署員の声もまちの人の声もたくさん拾っていきたい」
 

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