課題を共有する参加者
都市農業の課題を市民と共有しようと、市内の若手農家が中心になり「かわさき農業サミット」を今月９日、麻生市民交流館やまゆりで開いた。
この試みは、農地を使った地域との交流イベント「農園フェス」を宮前区で開催している小泉農園の小泉博司さん（39）と、登戸のフレンチレストラン・カルペディエムの総料理長、菊池猛さん（39）が発起人になって実現。この日は関係団体メンバーや市民ら約40人が参加した。
参加した農家は麻生区の井上広基さん（34）、高津区の木所大輔さん（38）と澁谷直子さん（43）、宮前区の矢澤舜さん（26）。４人はＩＴを活用しての生産管理や築百年を超える母屋をコミュニティスペースとして開放するなど、独自の取り組みを紹介しながら、都市部における課題や食育への考えを話し合った。
菊池さんは「参加者の反応もよく、自分たちの意識がより高まった。これを機に各分野の団体と連携しながら、農業を中心にした継続できる企画を模索していきたい」、小泉さんは「農園フェスでは飲食店と農家がつながることで、飲食店の利用客が直売所に足を運ぶなど相互交流が生まれている」とそれぞれ手応えを語った。
参加した井上さんは「人前で話すのが苦手な農家も多いので、このような機会は有意義だった。野菜を作り、家庭に届けることの難しさなども知ってもらえたし、ヒントになる意見もあってよかった」と語った。
参加した男性の一人は「若手農家の人たちが将来を考えながら、積極的に農業に取り組んでいるのが興味深かった。流通面などで市民が協力できることはないか考えたい」と話した。
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