江戸時代の演出「廻り舞台」を、日本民家園で再現――。毎年11月3日の無料開園日「民家園まつり」で行われた農村歌舞伎公演で、老朽化のため稼働していなかった舞台の転換装置が初めて活用された。開園50周年を記念した事業の一つで、会場は国指定重要有形民俗文化財の「旧船越の舞台」。同園で学芸員の実習中だった大学生12人のうち、当日は9人が公演の運営に携わった。
廻り舞台が披露されたのは3回で、物語の場面が切り替わるとき。舞台下の「奈落」で実習生5人と同園職員3人が1回につき約40秒、手押しでゆっくりと舞台を半回転させた。
本番前に4日間、1日30分くらい回す練習をしたという日本女子大学文学部4年の安田有里子さん(21)は「修理したばかりで歯車がかみ合っておらず、練習中に何度も止まった」と振り返り、「みんなで息を合わせられるかと、力加減がカギ。本番が一番いい出来だった」と笑顔をみせた。
舞台上からのライトの合図とともに「1、2の3」でしゃがんで、回し始めるタイミングを伝えた神奈川工科大学3年の三木政人さん(22)は「歌舞伎公演のお手伝いは貴重な経験。滑らかに回せてよかった」と手応えを語った。
この日の演目は「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」両国橋西川岸の場などで、秋川歌舞伎あきる野座が出演。50周年記念で芝生からベンチに改修したばかりの客席には、300人近い観覧者が訪れ、舞台を堪能していた。
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