宿河原の自宅ガレージで黙々と「ミニチュア古民家」を作り続ける男性がいる。今津宗男さん(80)=写真=だ。年々狭くなる作業場所の傍らには、これまでの作品およそ150個が所狭しと並んでいる。
「古民家も、作ることも好き。夢中になってやってるから、時間がすぐたっちゃうんだよ」といたずらっぽく笑う。
40代の頃から作り続け、気が付けば今年で40年が経った。通りかかる稲田小学校や多摩高校の生徒たちにせがまれて、無償であげたこともあるという。
作り始めたきっかけは、九州にある実家の建て替え。自分が育った家の形を残したいと、見よう見まねでミニチュア古民家を組み立てた。そのころから基本的な作り方は変わらない。
「難しいことは考えない。古民家の集落に出かけて本物をよくみておく」の言葉どおり、高さと面積は測っても設計図は無く、縮尺も今津さんのカン。近所の木材屋から廃材を分けてもらい、多摩川近くの河川敷などからススキや竹を拝借。時には九州旅行で手に入れた杉の木の皮を自宅に発送し、かやぶき屋根や屋根瓦を再現した。風合いを出すため、仕上げにバーナーで焦げ目をつけて完成。1棟は1週間から10日で仕上がるという。
今津さんは宮崎県出身。20代の頃漁師だったこともあり、培った紐の結び方を生かして柱や屋根を組み上げた作品もある。企業に就職したのを機に上京し、30代のとき現在の多摩新町地区の近くで「魚新」という魚屋を開店した。当時の休日の趣味として始めた作品作りは、店頭に飾るなどして加速していった。
展示会はこれまでに試みたことはあるが、一度も実現には至っていないという。「ガレージいっぱいに入っている作品を、広い場所に全部並べてみたい。作品展を1回くらいはやってみたいな」。秘かな夢を胸に、歩み続ける。
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