市民館でバリアフリーについて講演した井田小学校教諭 石田 一恵さん 市内在住 33歳
「私にしかできないことがある」
○…先月市民館で行われた「自立と共生の地域社会づくり」を目指した市民自主企画事業で、車いすユーザーとしてバリアフリーについて講演した。車いすの教員として総合学習などで子どもたちに話をしてきたが学校外で講演したのはこれが初めて。参加者に車いすを体験してもらい、「介助する側、される側両方の気持ちを考えてもらいたくて。これからは地域にも貢献していきたい」
○…約5年前、オートバイでツーリング中に転倒、脊髄を損傷し約1年半の入院。すでに教員となり担任も務めていたが休職を余儀なくされた。しかし「いつかは教職に戻りたい」という気持ちを失わずに、退院後わずか半年で教員に復帰。バリアフリー設備の整った井田小学校に赴任した。復職すぐは体力がなく勤務するだけで精一杯。できないことばかりで引け目を感じることも。しかし「子どもたちの純粋なやさしさに救われた。車いすに戸惑う大人が多い中、子どもたちは自然にやさしい配慮をしてくれる。私と毎日生活することで、障がい者のいる社会が当たり前のように感じてほしい。そのためにも一人でも多くの人と出会い接していくことが大切」
○…まち歩きが好きで趣味は映画鑑賞と買い物。「最初は1人じゃどこにも行けなかった。引きこもりになってしまう人も多いがそれではだめ。まちに出掛けることで出会いが生まれ、存在を認識してもらえる。もっと障がい者が暮らしやすいまちになっていけば」。今月23日には市民館で2回目の講演を行う。
○…週2日、脊髄損傷者専門トレーニングジムに通い体力づくりに励んでいる。それは「もう一度自分の足で立って授業がしたい」との思いから。「医学が発達し技術が向上しても体力がなければ立つことはできない」と希望を捨てない。再び担任を持つことも夢。「車いすだからできないと言われるのは嫌。指導力を磨いていきたい」と前を向く。
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3月29日
3月22日