2012年度の神奈川県県民功労者表彰を受賞した 成田 勝治さん 新丸子東在住 69歳
変わらぬ「お客様」への思い
○…県喫茶飲食生活衛生同業組合の副理事長として、組織の充実と食品衛生の水準向上に尽力。安心・安全な食材の提供や管理徹底を組合のメンバーに呼びかけ、情報交換を積極的に行ってきた。この取り組みが評価され県民功労者に選ばれた。「マイペースでやってきた自分で良いのかな」と謙遜するが、「より良い店や組合になるようにはやってきた。それが評価されたのかな」とはにかんだ。
○…喫茶店事業者は1980年代に全国で15万人以上いたが、現在ではその半数ほどに減少した。チェーンの珈琲店が増えた現状には、「同じ土俵で勝負しても意味がない。大変な時代だからこそ、いかにお客さんが満足してお金を払ってくれるか。どういう企業努力をしているか、情報交換して学ぶことが大切だよ」。朝食の喫茶店利用者が多い名古屋へ組合で視察することも考えており、常に発展のための道を探っている。
○…丸子地区出身。経営する「喫茶まりも」は1963年創業。22歳の時に父親から受け継ぎ、地元の喫茶店として愛されてきた。「昔アルバイトしていた子が子連れで来てくれたり、長くやっていると良いことあるよ」とニッコリ。レトロな外観や内装からは昭和の雰囲気が漂い、テレビのロケで使われることも多い。最近では本木雅弘さん主演のドラマ『運命の人』に登場。「ドラマの終了後に出演した俳優さんのファンが来てくれることも多い。改装しない意味もあるんだよね」
○…69歳にして5台のパソコンを扱う。きっかけは20年以上前に会計ソフトを導入したこと。店舗のHPは自身で作成し、こまめに更新している。「最初は何がなんだか分からなかったけど、できないことが悔しくて必死にやった。HPが完成した時は本当に嬉しかった。今はスマホだね」。大切にしているのは自分を思うのと同じように相手を思う「恕(じょ)」の心。「お客さんありき。それがすべてだよ」。その言葉は力強い。
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4月12日