寄稿 行政財産であるアルミ缶等の無断持ち出しの現状について 川崎市議会議員 松原しげふみ
平成19年度以後、空き缶の無断持ち出しについて市民等からの通報・苦情などが寄せられています。環境局では持ち出しの実態把握や持ち出された空き缶の受け入れ業者の把握に努めており、こうした情報をもとに、パトロールや指導を実施しています。平成19年度から23年度までの空き缶収集量は3万7531トンで、その売り払い収入は5年間合計で約11億1千万円との数字が出されています。この内、無断で持ち出された空き缶の量と金額についての調査によると、ここ数年、市民一人当たりの空き缶の資源化量は減少傾向にあります。その要因としてペットボトルの普及、コンビニストア等による店頭回収や自動販売機のベンダー等による回収、さらには大規模集合住宅による空き缶の自主的なリサイクルの実施など様々な要因があり正確な持ち出し量を算定するのは難しい訳ですが、平成18年度当時の算定式と同様に、人口や空き缶収集量から推計すると、別表の様な結果が算出されました。
この5年間で約1544トン、約2億1千5百万円が無断で持ち出されています。これは空き缶の位置付け、所有権が明確でなく行政として規制をかけることが難しいという事に起因しています。本市としては「持ち去り禁止」や「敷地内立ち入り禁止」と表示を行うなどの対応を行っているにとどまっています。このような中、平成20年には最高裁において、持ち出し規制の正当性が認められました。この判決以後新たに規制の制度化を行った自治体が増加しております。現在本市においても制度化を行った他都市の効果検証等が行われており検討が進められています。反面、この空き缶の無断持ち出しについては社会的弱者の実情に対し一定の効果を果たしているという側面もあります。社会的・経済的な背景などから今後効果的な防止策が求められています。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
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4月19日
4月12日