寄 稿 「顔見えぬ」川崎市教育委員会について(中) 川崎市議会議員 松原しげふみ
「お役所仕事」という言葉があります。その意味する所は「形式的で前例踏襲、融通がきかない、不親切でたらい回し」等であり、仕事ぶりを非難する言葉として使われます。これは市長部局に限らず教育委員会にもあてはまる言葉であり、慣例や形式に縛られたガチガチの組織を見直し改革しなければなりません。果たして教育委員会は変わることができるのでしょうか。
現内閣の重要施策に「教育改革」があります。その中の一つである教育委員会制度改革が大詰めを迎えています。今回の改革案のポイントは、【1】「教育委員長=教育長」とすることで新「教育長」に一元化し現行4年の任期を3年とし、首長が任命と罷免を行います。また、責任の明確化や迅速な課題対応が可能となります。【2】教育委員会と首長が協議を行う「総合教育会議」を各自治体に設置し、教育行政の大綱を策定することが義務付けされます。ここで懸念されるのは首長が変わるごとに子供達への教育方針が頻繁に変わってしまうのではないかということです。そこで首長による過度の介入を回避するため、教科書採択、学校の教育課程の編成、採用・異動・昇任等の教職員の人事については教育委員会の「専権事項」となるとしています。とは言うものの法改正には時間がかかりますし、どのような方が教育委員になるかが問題です。よって地方の立場でも現行の法律の範囲の中で今できることは早急に行うべきです。大阪のように条例を作ることもその一つですが、条例の制定が不可能な自治体でも議会の同意において、より厳しく教育委員を審査する等方法はいくつもあります。私はこれまで議会質問の中で、候補者に面接する事も必要であると述べてきました。教育委員候補者を招いて質疑することも可能であると考えております。もし、議会が教育委員の人事案を否決すれば、これまで行われてきた首長側の選任過程も見直しされるでしょう。議員にも否決するくらいの覚悟と気迫が求められます。現行の教育委員会制度の改革には市民一人ひとりが他人事と考えず、できることを一つ一つ地道に改善していくことが重要であります。
【次回5月30日号に続く】
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
|
|
|
|
|
|
4月19日
4月12日