神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2016年8月12日 エリアトップへ

自然を回復させている多摩川を、30年にわたり観察し続けている 中本 賢さん 俳優 60歳

公開:2016年8月12日

  • LINE
  • hatena

死ぬまで、多摩川に夢中

 ○…「お気に入りのスニーカーを買って、川へ散歩に行ってごらん。ビックリするようなものがあるから」。多摩川流域に30年以上住み、都市と環境の共生を見守り続けてきた。寄り添ってきた雑草95種を一冊にまとめた、お散歩ガイドブック「多摩川ノート―土手の草花」を今春出版。自ら撮りためた景色や植物、昆虫の写真を盛り込み、ありのままの言葉で思いをつづる。「くだらないことが楽しい。面白いから夢中になる。本当にそれだけ」

 ○…東京都浅草で育ち、1976年に芸能界入り。独立後、29歳のとき多摩区の中野島に移り住み、20年ほど暮らした。当初、長男と2人で誰もいない多摩川にぶらりと遊びに行くと、目の前に広がっていたのはごみの山と洗剤の泡が浮く水面。そこで出会ったのは奇形のクチボソだった。持ち帰り、水槽で産卵に立ち会う。「生きようっていうバイタリティに感動した」。魚捕りが日課になり、当時は自宅に30近い水槽が並ぶように。魚の生態に親子で夢中になった。「面白さは30年前から変わらない」

 ○…日本中が猛暑渇水に見舞われた1964年。「あのとき、川崎の川や海がどうだったか思い出してほしい」。あれから数十年。人の手で下水道は整備され、アユの群れが見られる水質になった。「川(かわ)の先(さき)にあるから川崎。海や川の恵みが集まってアユ、ハマグリが再生する。それが誇りを持てる、世界をリードする川崎の価値」。地域の未来がどうあるべきか、教えてくれる川。それを伝えるべきだと力説する。

 ○…俳優業、川崎市教育委員会に身を置く傍ら、ボランティアで市内小学校9校を訪れ、総合学習で川遊びの楽しさを教える。「みんな夢中になって喜ぶ。問題じゃなくて価値に気づき、実感する。それが豊かさの根源」。土手の草花に価値を見つけ、「その子たち」にあいさつするために歩き、時折立ち止まる。「死ぬまでこの川で楽しみ続けたい」

中原区版の人物風土記最新6

中山 寛隆さん

川崎市制100周年記念で演奏する合唱団に携わる、川崎市合唱連盟の事務局長

中山 寛隆さん

高津区在住 36歳

4月19日

佐藤 智宏さん

第58代目の中原警察署長に、3月19日付で就任した

佐藤 智宏さん

区内在住 56歳

4月12日

トニー クルーズさん

火災予防ポスターをデザインして中原消防署から感謝状を贈呈された

トニー クルーズさん

新丸子東在住 53歳

4月5日

佐藤 翠(みどり)さん

川崎市男女共同参画センター「すくらむ21」で居場所事業を担う

佐藤 翠(みどり)さん

高津区在勤 32歳

3月29日

小林 規一郎さん

「100Kmウォーク」のイベントを企画した、ブレーメン通り商店街青年部長

小林 規一郎さん

木月在住 48歳

3月22日

本田 志帆さん

全日本学生フルコンタクト空手道選手権に優勝した

本田 志帆さん

幸区在住 20歳

3月15日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 4月5日0:00更新

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook