市政報告 いざに備えて「初」点検を 川崎市議会議員 重冨たつや
昨年は熊本地震など多くの災害がありました。災害が発生したときにはご自宅での備蓄などを改めて確認された方も多かったのではないでしょうか。一方で、なかなか行動に移せないという方もいらっしゃるかと思います。
これまで議員の立場で震災対策に関して重点的に調査を行い、市に提案・提言を行ってまいりましたが公助の限界を感じる場面も多くありました。例えば避難所の広さについて。市の概算では中原区内の半数の避難所で、避難生活者数が収容可能人数を上回る可能性があるとのことです。行政にはこういった最新情報を今まで以上にきめ細やかに市民に提供する責任があります。そして市民には、情報をもとに自身にできる備えを考えて頂く必要があります。先ほどの例では、避難所が定員オーバーとなってしまった場合、こども文化センターや老人いこいの家も活用する可能性があります。そこで、小学校などの避難所と同様に日頃からこれらの施設についても場所を確認することなどがひとつの備えといえます。他にも、災害時に避難所やご自宅でも困るのがトイレです。各避難所には災害用トイレの備蓄があります。本市の災害用トイレの備蓄量は政令指定都市の中でも最も多い状況ではありますが、残念ながら多くの避難所では十分な数の備蓄が完了していない状況です。
市民の安心安全を守るのが行政の重要な仕事の1つであることは間違いありません。しかし、災害時に「公助」によって救われる命が多くないのも事実です。平成27年度の市民アンケートでは、自宅に3日分以上の飲料水を備蓄しているという方が5割に満たない結果でした。現在の避難所での物資の備蓄量は、家屋が全壊・半壊・消失してしまった方の人数を想定しており、発災後直ちに全ての市民に物資の提供を行える量とはなっていません。行政の備えについて見直しが必要なことは少なくありませんが、新たな1年が始まるこの時期にこそ、「いざ」に備えた「初」点検を宜しくお願い申し上げます。
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4月19日
4月12日