井田小学校の図書館が、地域に開放されてから10年。今も地域のボランティアの手によって、毎週土日、本の貸出などが行われている。「より多くの方に利用してほしい」と改めて周知を図る一方で、人手が不足している運営スタッフの協力も呼びかけている。
井田小の図書館が開放されているのは、毎週土日の午前11時から午後3時まで。新刊も随時購入しながら、常時1800冊ほどを取り揃えている。利用者は1日に20〜40人ほど。登録申請すれば、1人最大3冊まで借りることができる。
利用者からは好評だ。区内には中央図書館としての機能をもつ中原図書館が小杉にあるが、井田地域からは遠く、また利用者が多いために人気の本を借りるのに数カ月待つことも少なくない。その点、井田小の図書館は「近場で利用しやすい」、「人気の本でも待たずに借りられる」との声が聞かれる。
実施校は10に減少
そもそも小学校の図書館開放は、「読書のまち・かわさき」の一環として、市教育委員会が2004年4月に始めた。07年からは貸出もされ、一時は市内17の小学校で図書館が開放されていた。しかし、ボランティアの確保などが壁となり活動を断念したり、実施日を制限したりする学校もあり、今も活動を継続しているのは10校のみ。井田小では現在15人のボランティアがシフトを組み、実施校中で最多の月8回開放している。また、市からの事業費のほとんどは本の購入に充てられるため、広報も充分にできず周知は口コミに頼っている。
代表の三好希さん(56)は、「活字に親しむことは、教育にも親子関係を育むためにも大切。利用者から喜んでもらっている限りは継続していきたい」と話す。また、ボランティアについては、「PTAや保護者の方にご協力頂くのが望ましいが、子育てなどで余裕もないと思う。ご賛同いただける方に、ご協力頂ければ嬉しい」と呼びかけている。
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