川崎市は今年5月から水曜日の完全定時退庁を実施するなど、職員の長時間勤務の是正に本腰を入れている。6月の水曜日は9割超が定時退庁した。一方、一部部署からはこの数字を疑問視する声も上がっている。
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今年2月の市議会で共産党市議団は「市職員の長時間労働が深刻」と指摘。厚労省が「過労死ライン」とする月80時間(時間外)を超えたのは、正職員約1万2千人のうち528人、大きく超える年間1000時間超は28人いた。市職員の時間外勤務時間は、16年度に若干減少したものの、右肩上がりの傾向にあった。
そんな中、市は本格的に長時間勤務の是正に乗り出す。5月から「水曜日の完全定時退庁」「午後8時以降の時間外勤務の原則禁止」「所属ごとのノー残業デー設定」を実施。時間外勤務の前年度比5%減を目安に取り組んでいる。
市労務課によると、今年4月〜6月の1人あたり月平均時間外労働時間は前年の17・2時間から14・5時間に減少(△15・7%)。5%減を大幅に上回る数字となった。6月の水曜日退庁率は93・3%。5、6月に申請があった午後8時以降の時間外勤務は、職員の2・3%にとどまった。ある課では「徹底的に実践している。水曜日以外も月次でノー残業の日を設定し、未達成の場合は、その理由を報告しなければならない」としている。
一方、水曜日の完全退庁の数字を疑問視する声もある。「残業の届出をしていない職員も多数いるのでは。市民応対のために定時以降に残らなければならないケースもあるが、残業申請を出すのも面倒。いわゆるサービス残業ですよ」
市職員は出勤時にICカードで出勤時間を申告するが、退勤時間を申告する制度がない。正確な退勤時間が把握できないため、ノー残業の数字は、あくまで残業申請をしていない職員の数というのが実態だ。
市行政改革マネジメント推進室は「勤怠管理を改善して実際の退勤時間を把握する必要もある」とした上で、「市民サービスのために必要な残業もある。元気に働ける職場をつくり、サービス向上に繋げることが最終的な目標ということを理解してほしい」と述べる。
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