川崎市 女子サッカー普及に壁 「なでしこ」追い風も環境に課題
「なでしこジャパン」のW杯初優勝で注目されている女子サッカー。川崎市出身の宇津木瑠美選手も優勝に貢献、区内の女子チームにも参加希望者などが急増しているという。市の現状を取材した。
「優勝で女子サッカーが盛り上がって嬉しい。観客が増え、メジャー化することに期待したい」と話すのは、中原区出身で昨年までなでしこリーグで活躍した井関夏子さん。
しかし、練習場所など環境面での課題は多いという。井関さんは「女子サッカーの場合、中学生の年代での受け皿がとても少なく感じる。小学生までは男子に混ざってある程度練習できるが、中学は男女別になりサッカーを辞めてしまう子が多いのが現状」と話す。自身が小学生の時も女子チームが少なく、港北区まで毎週車で両親に連れていってもらったとのこと。
市サッカー協会に所属する女子サッカーチームは小学生以下の少女9、一般8(11年7月25日現在)。市内の公立中学校に女子サッカー部はなく、一般チームの中でも中学生が活動できているのはわずか4チームという。
その一つ、中原区の「AC等々力・サッカークラブ」では、W杯期間中から「中学校ではやる環境がなかったのでまたやりたい」「自分の娘にサッカーをやらせたい」という問い合わせが増えたという。斉藤公秀代表は「中学校世代のチームを作ろうという熱意があっても場所がなく断念してしまう指導者が多いのでは。学校や企業などが場所を貸してくれれば」と話す。同チームでは中学生22人が在籍しているが、練習場所を確保できず体育館などで活動することもあるという。
市のサッカー協会でも「公立中学校でナイター設備があるところでも、川崎市では夜間に18歳未満が使用することができないことになっている。とにかく活動できる場所を増やしたい」としている。川崎市市民スポーツ室では「土地が少なく新しい施設等を作るのはなかなか難しい。既存の施設の有効活用で拡充を図れれば」と話している。
女子チームの問い合わせは同協会(【電話】044・733・7655、平日午前10時から午後5時)まで。
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4月12日