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中原区版 公開:2013年9月20日 エリアトップへ

中原消防署 高層建物の消火活動を検証 高さ約76mの屋上で

公開:2013年9月20日

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ポンプ車を使って屋上で放水(写真提供/中原消防署)
ポンプ車を使って屋上で放水(写真提供/中原消防署)

 中原消防署は、このほど高層建築物の火災に備えた検証訓練を実施した。非常用エレベーターや送水管など建物に備えられている防災設備が地震で被害を受けた事態を想定し、ポンプ車を使った放水活動ができるかなどを検証した。

 いま中原区は、小杉地区を中心に60m以上の高層建築物が17棟建つ。多くは居住物件で、住民は約1万人。このような高層建築物では、消防法等に基づき、上層階に水を送る送水管や消防士がスムーズに作業を行うために非常用エレベーターが設置され、火災時にはその設備を使って消火活動が行われる。

 しかし阪神淡路大震災の際には、送水管が一部破損したり、非常用のエレベーに不具合が生じたことから消防活動に支障が生じたケースもあったという。

 中原消防署では、こうした高層建築物における非常事態を想定。送水管や非常用エレベーターなどの防災設備が使えないという条件の下、ポンプ車等を使いどの高さまで安全に放水活動ができるかを検証した。高さ約76m・地上20階建てのリッチモンドホテルプレミア武蔵小杉で、ホースを1階から屋上まで一直線に引き上げる方法と、非常用階段に合わせて螺旋状に延長する方法の2種類を行い、放水時の水の圧力やホースの安全性、放水するまでの時間などを計測した。

 訓練の結果は、どちらも初期火災であれば消火できるだけの放水ができることを確証。また、一直線上にホースを伸ばす方が摩擦が少なく水力が強かったことや螺旋状のほうがホースが暴れず安全性が高いことなどが分析できたが、実用には訓練を重ねることが必要とした。

 市内では過去に10階建ての訓練施設で送水管を使った放水訓練は実施したことはあるが、地上のポンプ車から水を60m以上の高さに押し上げるのは初めて。市消防局広報担当は「地域性に合った訓練は必要不可欠。全国的にも珍しい訓練になったが、中原署のように検証を重ねることは大事」と話している。

若手職員が活躍

 今回の訓練は、将来現場の中心となる若手署員が中心となった。飯田康行警防第一課長は「高層建築物が増える環境でも、今の若い署員が自ら対策を考えて経験を積んでいくことで、有事の際にも混乱なく対応できるようになってほしい」と話している。リーダーの脇谷健太郎消防士は、「実践では仮説と同じような結果が得られたため大きな成果と自信になった」と話した。

 今回協力したリッチモンドホテルプレミア武蔵小杉の清野沙耶佳支配人は「消防署が下にあるのは心強い。年に1回以上は合同で防災訓練も実施している。今後も協力していきたい」としている。

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