武蔵小杉駅東口駅前広場に設置される、モニュメントをデザインした 鈴木尚和(ひさかず)さん デザイン事務所「SPAZIO WORKS」代表 55歳
人と街を繋ぐクリエイター
○…3月末に完成する小杉駅東口の広場に設置されるモニュメントのデザイナー。「かつて工業都市だった街の歴史や新たな人の交流、音楽など地元の方の意向を汲み様々な角度からカタチにした。答えのない抽象さを皆さんそれぞれに感じてもらい、人と街を繋げるきっかけになれば」と微笑む。全国各地でその街に合った環境を活かした金属モニュメントやオブジェを手掛け、川崎市や市内企業と商品開発にも携わった。「また関われて光栄です」
○…国際展への出展やサッカー天皇杯優勝チームにドイツから贈られたカップをデザインするなど、海外からも注目を集める。この実績にも「才能ではなく努力」と言い切る。その原点は学生時代。ミュージシャンを夢みていた高校の頃、プロが審査するイベントで準決勝まで進むも声は掛からず。その後、幼少から得意だった絵で美大に進学するも、同期のセンスに衝撃を受けた。「上手いだけじゃダメなんだなって」。それからは、世界の芸術を勉強しセンスを磨き続け、既成概念に捉われない自由な発想で制作に従事してきた。「売れるモノより良いモノを作りたい」の一心で、皇室選定品も生み出した。
○…大和市出身。夫人とは友人の紹介で出会い1年で結婚、30年近く経った今も”おしどり”だ。一級建築士でもある夫人との共作もあり「指示される側でしたけどね」と苦笑い。バイクや車、スキーや旅行など多趣味だが常にアートな発想は忘れない。「例えばトラクターがフェラーリでもいいでしょ。カッコよければ、農業への憧れにもなる」
○…大卒後に就職し、30代で独立、40代で青山に事務所を構え、50代で海外へ進出―。現在に至るこのプロセスは、20代に決めた人生計画だ。座右の銘は『一心岩をも通す』。「一度言葉にしてしまえば、後は実行するのみ。周囲も助けてくれるし、まさに言霊(ことだま)だよね」。強い信念で、これからの人生にも磨きをかける。
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4月19日
4月12日