神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2014年8月29日 エリアトップへ

土砂災害 市内でも警戒を 専門家が危険性を指摘

公開:2014年8月29日

  • LINE
  • hatena

 猛烈な雨と崩れやすい地質によって大きな被害があった広島市北部の土砂災害。川崎市内でも過去に土砂災害による大きな被害があり、現在でもその懸念は大きい。川崎市北部を中心に市内では「土砂災害警戒区域」が759カ所指定されている。

 広島の土砂災害の大きな原因は3時間で200ミリ以上の猛烈な雨量に加え、「まさ土」と呼ばれる崩れやすい地質にあったとされる。被害を拡大させた要因として丘陵地の宅地開発を指摘する声もある。

 土砂災害を研究する一般財団法人砂防・地すべり技術センター(東京都千代田区)の専門家は「強い雨が降れば、広島で発生したような災害が神奈川県内で発生する可能性は高い。川崎北部はここ数十年、崖崩れが発生するような場所に人家が建ち、宅地開発が進んでいる」と指摘する。

 市内の地質は主に関東ローム層で「まさ土」と比較すると安定しているといわれる。だが、昨年度は多摩区や麻生区の5カ所で崖崩れが発生し、過去10年では市内21カ所で起きている。89(平成元)年8月には台風の影響によって高津区蟹ヶ谷で6人が死亡する崖崩れもあった。

 国が01年に土砂災害防止法を施行し、各都道府県が「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」の指定を進めてきた。全国で指定が進まない課題が浮き彫りになっているが、川崎市内では川崎区を除く6区で合計759カ所が警戒区域に指定された。特に丘陵地に宅地が広がる麻生区や多摩区、宮前区、高津区に集中している。

難しい避難判断

 想定以上の雨量を記録し、未明に襲った今回の土砂災害は避難勧告・指示のあり方にも大きな課題を突き付けた。

 川崎市の場合、避難勧告・指示は風量や雨量をみてマニュアルに従って判断するという。住民に情報を伝える手段は▼市内各地に設置されている258機の防災行政無線▼車両による広報▼メールニュースかわさき「防災気象情報」の配信▼緊急速報エリアメールの配信――などがある。9月1日には各情報メディアに災害情報を発信するシステムLアラートを県内の自治体で初めて導入する。

 市総務局危機管理室の担当者は「広島のようなケースの場合、避難指示は難しい判断になる」と話す。

中原区版のトップニュース最新6

使いやすく大幅増補

市おくやみガイドブック

使いやすく大幅増補

手続きの煩雑さ解消に

4月19日

仲間と歌いつなぐエール

能登半島地震復興ソング

仲間と歌いつなぐエール

市長や市議も「個人」で参加

4月19日

アート体験 視覚障害者に

岡本太郎美術館

アート体験 視覚障害者に

CF初挑戦、支援呼び掛け

4月15日

救急隊、日中に増設

中原消防署

救急隊、日中に増設

到着時間の短縮めざす

4月12日

5年ぶり重要郷土資料に

江戸時代後期「富士信仰」

5年ぶり重要郷土資料に

市ノ坪の民家で所蔵

4月12日

市民の「誇り」向上

川崎市イメージ調査

市民の「誇り」向上

「来訪推奨度」は過去最高

4月5日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 4月5日0:00更新

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook