14日に投開票された衆議院議員総選挙で、3人が立候補した神奈川県第10区(川崎区・幸区・中原区の一部)では、自民党の田中和徳氏が7度目の当選を果たした。また、同18区(宮前区・高津区・中原区の一部)では自民党の山際大志郎氏が他の4候補を抑え4回目の議席を手にした。
第10区
田中氏の事務所では、午後8時頃から続々と支持者が集まり、テレビで情勢を見守った。開票から僅か10分ほどで当確が報じられると、支持者らは手を取り合い歓喜に沸いた。
用意された約70席を埋めるほどの支持者が駆けつけた頃に姿をみせた田中氏は「皆さまのおかげで当選でき感謝したい」と挨拶。しかし、その後は表情を引き締め「選挙期間中に駅頭で配るチラシをなかなか手にしてもらえず、前回より投票率が下がると感じた。民主主義にとって重要な国政選挙であり大きな課題だ。もう一度原点を見直し、有権者の声に耳を傾けなければならない」と低投票率への危機感を口にした。
また今選挙の争点の一つだったアベノミクスについては「GDPの値からしてもまだ踊り場の状況。国民の理解と支持を頂きながら前進させるとともに、党役員として市民・国民の生活を守っていく」と誓った。
一方、民主党元職で元財務大臣の城島光力氏は選挙期間中、「民主主義の危機。弱い立場の人がますます弱い方へ追いやられる」と訴えたが、比例復活も果たせず議席奪還ならなかった。城島氏は「全力投球したが、有権者の心を捉えることはできず、おわびしたい」と支持者に陳謝した。
また、共産党の中野智裕氏は翌15日の報告会で「全国では選挙前の8議席から21議席に伸ばし、県でも畑野君枝氏が当選し躍進した。10区も前回の2倍近い得票率を頂いた」と話した。
第18区
5氏が乱立し、激戦となった18区を制したのは山際氏だった。
当日、事務所には開票前から本人や支持者らが集まり、手応えを感じている様子で朗報を待った。テレビで当確が伝えられると、会場は笑顔に溢れた。山際氏は「中田氏が圧倒的な知名度を誇っていた中でも、自分の訴えが変わることなく戦えた。これまでの政治活動をこの選挙でも愚直に繰り返すことができた」と選挙戦を振り返った。
投票率、小選挙区制後で最低
10区は51・88%、18区は53・34%
また、山際氏は有権者に対し「政治ができることは限界がある。アベノミクスは環境整備という一面もある。メーンプレーヤーは国民一人ひとり。ぜひやる気を出して頂き、経済再生のために、それぞれの立場で汗を流していただきたい」と呼びかけた。
一部報道で接戦が報じられながら敗れた次世代の党の中田宏氏は「全ては私の力不足。手応えは感じてはいたが結果につながらず申し訳ない」と肩を落とし、支持者らに陳謝した。また今後については「日本を立て直したいという思いだけ。これを教訓にし、前に進んでいきたい」と語った。
維新の党の北村造氏、共産党の塩田儀夫氏、生活の党の樋高剛氏は、いずれも残念な結果となった。
大戸地区は54・05%
中原区では10区と18区に区割り変更されて以来、初めての選挙となった。しかし全国同様、今選挙に対する有権者の意識は低く、10区の投票率は小選挙区制が導入された1996年以降で最低に。18区でも現区域となった2003年以降で同じく最低を記録した。
小選挙区における10区の投票率は、前回より6・64ポイント低い51・88%で、中原区(10区)は同6・39ポイント低い55・11%。
18区の投票率は、同5・76ポイント低い53・34%で、中原区(18区)は54・05%だった。
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