市健幸福寿P(プロジェクト)モデル事業 今年度は100施設目標 実効性のある仕組みへ
介護保険給付費上昇の抑制を目的に、要介護度を改善した事業所に市が報酬を与える仕組み『かわさき健幸福寿プロジェクト』。第1次モデル事業の検証を踏まえ、協力事業所目標を100にした今年度事業が始まっている。
今後高齢者人口が増えるのに伴い介護保険給付費も急激な増加が見込まれるが、その抑制を目的に市は14年度から『かわさき健幸福寿プロジェクト』を始動した。
現在の介護保険制度は要介護度に応じて事業者に支払われる報酬が設定される。介護度が高いほど報酬は高くなるが、要介護度が改善された場合、評価に反して報酬は減る。これに対し、市は介護サービス利用者の要介護度が維持または改善が図られた場合、事業者に対して報酬を与える新しい仕組みを検討。それが同プロジェクトで、事業者の意欲を高めることで利用者の要介護度が改善され、介護保険給付費を抑制する狙いがある。
市は第1次モデル事業として、14年10月から12月まで、市内の居宅介護支援事業所、特別養護老人ホームの協力を得て、ADL(日常生活動作)の改善について検証。結果を踏まえての意見交換会では、概ね事業所から好評を得た。
市では、意見を踏まえ4月から今年度モデル事業を開始。市から声をかけて手を上げたところを順次協力事業所とするが、100カ所を目標に進め、ADLとともに要介護度の改善も検証したいとしている。
本格実施は16年度以降としており、具体的な数値目標については、1次事業でADLが6割改善されたというデータが出たものの、3カ月という短期間な上に改善要素が一概には特定できず、また今後プロジェクトにかかわる人数にも限りがあるため「正直設定が難しい」という。「今年度事業で見えてくるある程度の水準を基準に検証し、何らかの数値目標を出すことを意識していきたい」と市では話す。
一方で「身体と違い、認知症対応型施設では症状の改善が見た目では確認しにくいため、手を挙げたくてもできない」といった声もある。それに対し市では、「この事業は他自治体でもまだ取り組んでいるところは少なく、手本がない状態。意見交換の場にそうした施設の方の意見を出してもらえれば打開策も探れる。ケアの在り方を本人・家族・ケアマネ・事業所・行政が共有していくことが大事」と話している。
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3月29日
3月22日