「中原みこし連」の会長を務める 立原 和行さん 上丸子山王町在住 66歳
横の連携で笑顔を紡ぐ
○…祭りの華である神輿。その担ぎ手らが所属する中原区内の各みこし会を束ねる。同連は平成20年に発会、現在は区内の10の会が所属。今でこそ互いに協力し合う関係が築けているが、発会当初は各会にそれぞれ方針があり、「横のつながりを作る必要」に疑問の声も多かったという。そんな中、互いの協力の必要性などを約2年かけて訴え続け、賛同を得た。「先祖代々」という縦のつながりを重視してきた神輿の世界に「横のつながり」の大切さを投げかける。
○…「神輿のことに限らず、出来る人がカバーすれば、色んなことが可能に」。同連は震災で福島から等々力アリーナに避難してきた人に、炊き出しを行ったことも。横のつながりを強化したことで、出来ることが広がった一例。「手の届く範囲の人を笑顔にできれば」と微笑む表情は、強者揃いの「みこし連」の舵取り役とは思えないほど穏やかだ。
○…子どもの頃から神輿好き。25歳で地域のみこし会「丸子鳳輿睦」を発会後、神奈川県みこし保存会の助言で他地区のみこし会にも参加した。「『井の中の蛙』を実感。他を知って地元の良さの再発見も」と語る。これまでの経験を次世代に繋げるべく、祭りのマナー指導や若手の育成にも意欲的。「細かいことは言わないが、怒るときは怒る。でもね、決して人前で叱らず、そっと諭すんだ」そんな姿が多くの人から信頼を集め慕われている理由だろう。
○…土木業を営む傍ら、祭りの時期にはみこし会のトップとして多忙な日々を送っているが、プライベートでは愛妻家。「妻には感謝の気持ちでいっぱい」と話すと、夫人からは「一緒にいて楽しいし尊敬している」と仲睦まじい様子。世代を問わず慕われ、主催するバーベキューには100人を超える来客も。「多くの人に『横のつながり』を大切にして欲しい」と、祭りの場に限らず、人と人とをつないで、今日も笑顔の輪を広げる。
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4月19日
4月12日