バルセロナ五輪の金メダリストで川崎市高津区に道場を構える 古賀 稔彦さん 川崎市在住 48歳
今までを活かし今を生きる
○…現役時代は「平成の三四郎」の愛称で親しまれ、1992年のバルセロナ五輪で金メダルを獲得した柔道界のレジェンド。数々の大会で優勝し、輝かしい成績を残してきた。現在は指導者として全日本柔道女子の強化委員、IPU環太平洋大学女子柔道部総監督などを務める。川崎市高津区の道場『古賀塾』では塾長として、「人の役に立てる人間」を育てる。「努力、仲間、礼儀、夢を持つことなど、今まで経験したことをこの場で伝えたい」。
○…金メダルへの道のりは悔しさをバネにした努力によって開かれた。喘息を患い、病弱で赤面症。小学1年で柔道を始めたが、初めての練習試合で敗北。悔しさをバネに「強くなりたい」と稽古に励み、中学入学と共に佐賀から単身上京した。その後は、20歳でソウル五輪に初出場。優勝候補と目されたが3回戦で敗れた。帰国後にテレビでその場面が放送されると、観客席でひたすら頭を下げる両親の姿があった。「戦っていたのは僕1人じゃなかった」と思い知らされた。その経験をバネに、恩返しの心で稽古に集中し、その努力がバルセロナで報われた。
○…結婚を機に川崎市に移り住んだ。在住歴は10年以上になる。「住む前に比べて、緑豊かでオシャレな街になった。住みやすい街ですよ」とにっこり。よくランニングをした多摩川沿いは「心と体を癒すのに最適な場所」と話す。夫人と3人の子どもの5人家族。たまの休みは川崎駅前へショッピングに出掛けるなど、家族サービスも忘れない。
○…道場では「目の前の子の笑顔を見る」という目標を持って指導する。「何かができた時の嬉しさや達成感が大事で、その瞬間の笑顔を見ると『よし』と思える。うまくいかなくても認めることで挑戦意欲を育てられる」と熱を込める。今年は大学の教え子が五輪に出場する。「今後も指導者として教え子たちが日の丸をつけて世界の舞台で活躍する姿を見たいですね」。
|
|
|
|
|
|
4月19日
4月12日