都市化が進む中原区にも豊かな「農」がある――。区内で長年野菜作りに取り組む農家の生産者が直接野菜の作り方を教える「野菜と花の育成講座」が17日、中原市民館で行われる。企画したなかはら20年構想委員会では「身近な農に触れて中原区に愛情を持ってもらえれば」と期待を込める。
武蔵小杉などで都市開発が進み、高層ビルの多い中原区だが、年間を通して多岐に渡る農作物が生産されている。「かわさき農産物ブランド品」に登録されている多摩川梨やほうれんそう、シクラメンをはじめ、県下でも有数の品質を誇るという区の花・パンジーの生産が盛んだ。2013年の市の調査によると中原区の耕作面積は約1841aで、全市の5%ほど。その面積の中に農家戸数は93戸存在し、うち43戸が販売農家として生産物を提供している(15年農業センサスより)。また、農家が自ら生産物を販売する直売所は12カ所あるという。
区民が行政と協働し、まちづくりを進めるなかはら20年構想委員会(栗原護委員長)では、地元の緑化と郷土の愛着を深めるため、これまで特産品のパンジーを使った景観づくりなどを行ってきた。さらに区民に中原区の土地の豊かさや都市農業の魅力に触れてもらおうと、昨年花と野菜の育成講座を初めて企画。ベランダでできるラディッシュや葉ぼたんなどの作り方を直接農家から学ぶもので、参加者からも好評だった。
講座では、区内下小田中で代々農業を営む原寿男さん(72)が講師を務める。50年以上農業に携わってきた原さんは元々パンジーなどの花き生産をしていたが、現在は家族4人で野菜を中心に生産。直売も行っている。原さんは「作った野菜で地元の人が喜んでくれるのが嬉しい。講座には農や野菜が好きな人にぜひ参加してもらいたい」と話す。
講座は市民館2階視聴覚室で、17日午前10時〜正午。インゲン、ラディッシュ、ブロッコリーなどの育て方を学べる。種、プランター、培養土付。参加費500円。申込み先着30人。栗原委員長は「昔から続く農家と新住民とのコミュニケーションの場になれば」と話している。
申込み、問合せは【電話】044・744・3324。
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