ウィルチェアーラグビーの日本代表としてリオデジャネイロ・パラリンピックに臨む 山口 貴久さん 宮内在住 34歳
不屈の闘志で狙う「金」
○…四肢に障害のある車いすの選手が出場する「ウィルチェアーラグビー」。バスケットボールと同じコートを使い、敵陣の2本のパイロン間のゴールラインまでボールを運ぶ。車いす競技で唯一激しいぶつかりあいが認められている。日本代表入りが決まり、「最後までボーダーライン上にいたから、決まった時はホッとした。今はいかにチームの中で存在感を出していけるかを本大会までの短い時間につめていきたい」と準備に抜かりがない。
○…19歳の時、交通事故に遭い、頚椎を損傷し車いす生活に。足の感覚がなくなり歩けないことより、握力がなくなったことにショックを受けた。入院中は「スポーツマンにはならない」と反発した時期もあったが、陸上、ツインバスケットボールを経験し、行きついたのがウィルチェアーラグビー。8年前に誘われて何気なく始めたが、ロンドンパラリンピックを経験したチームメイトに刺激を受けて闘志に火がついた。「やってやろう」という強い覚悟で臨み、2013年には初の日本代表に選ばれた。
○…横須賀市で生まれ育ち、小・中学とサッカー部で汗を流した。「勉強もできた方」と笑顔を見せるが、一転して高校時代は遊びに夢中になった。ソムリエやバーテンダーに憧れてホテル業の専門学校でも学んだ。現在は資産運用をメインとする企業に務める。今年2月には結婚。「妻の夢が、子どもができたら一緒に応援すること。それまでは生涯現役でがんばりたいですね」。
○…自身を「可もなく不可もないプレーヤー」と特徴の無さを分析し、本番までの短期間で世界で通用する武器を模索する。チームは歴代の代表の中でも最強と評されており、「今回メダルが取れなければ暫く無理だろう」と言われるほど。本大会の目標は「メダル以外考えていない」ときっぱり。「金を狙います。そうじゃないとメダルすら取れないですから」。
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4月19日
4月12日