川崎市は、生活に困窮していると想定される子ども・若者やその家庭状況を把握・分析することで施策の推進を図るため、「市子ども・若者生活調査」を初めて実施。所得格差や家庭環境が子どもたちの学校での学習理解度や将来の夢などにも影響していることが分かった。
今回市が行った「子ども・若者生活調査」は、「子ども・若者がいる世帯の保護者」と「生活保護受給世帯・児童扶養手当受給世帯」「児童養護施設に入所している子ども・若者」へのアンケートと、児童相談所や児童福祉施設等の職員へのヒアリング。可処分所得や生活状況について尋ね、分析結果を先月公表した。
その結果、川崎市の貧困率(※)は6・9%だった。中でも注目したいのは「学校での学習理解度」や「将来の夢」などにも所得格差や家庭環境が影響していることが明らかになった点。
表のように「一般家庭」と「生活保護・児童扶養手当受給世帯」「児童養護施設に入所」で、いずれも差異が生じている。
これについて宮前区にある川崎愛児園の職員は、「入所する前の環境で勉強をするというルーティンがないため、入所後も遅れが取り戻せなかったり、なかなか集中できない子どもが多く、そうした結果が出たのでは」と分析。現在、学習ボランティアに来てもらい指導を受けたり、助成を受けて塾に通う制度を利用するなどして対応している。「携帯電話やゲーム等の説明書も見ずに使いこなす子どももおり、興味を持たせれば伸びるポテンシャルは皆持っているので、そこに注力して接するようにしている」と同施設では話す。
市は調査結果を受け、「保護者への支援も含め、各関係分野の機関とも連携して、中・長期的な支援を構築していくことが重要」と話している。
※可処分所得額(給料の手取り分)が国の指標である貧困線(世帯員人数4人の場合の基準=年額245万円)の水準を下回る世帯に含まれる子どもの割合。
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