川崎市茶華道協会の理事長として伝統文化の伝承に努める 伊藤 紅華(こうか)さん 市ノ坪在住
一期一会のおもてなし
○…神前に茶をたて、花を生ける行事「献茶(けんちゃ)・献華(けんげ)式」。同会が主催して今年で20周年の節目を迎える。理事長として携わる同会の一大イベントに向け、例年以上に準備に力が入っている。「着物の行列が神社周辺を回り、神殿でお茶をたて、お花を生ける。ぜひ多くの方に、日本の伝統行事を堪能し、喜んでいただきたい」と話す。
○…90年以上の歴史を持つ由緒ある協会の理事長に今年4月に就任した。理事の投票により選ばれ「決まった時はびっくりした」と驚きを隠せなかった。理事長を任されてからは、来賓として各地の展示会等に行く機会が多く、スケジュール帳は予定がびっしり。「この前は1日に3カ所。小田原から三浦への移動だったから大変よ」と笑う。「茶華道協会は歴史ある団体。日本の伝統、敬う心を大切にしながら、新しいものを生み出していければ」と意欲的に取り組んでいる。
○…「子どもの時はソフトボールをやっていた。おてんばだったなぁ」と振り返る。そんな子を見て母が「女性らしく」と習わせたのが茶道、華道、琴だった。和の世界でも才能を発揮し、生け花の青蘭流で若くして師範となった。生まれは静岡県で小学生の時から川崎市に住む。60年以上が経ち、地元への愛着は人一倍だ。「地域の安全安心のために」という思いから防犯指導員、明るい選挙推進委員、民生委員などのボランティアも引き受けている。
○…現在は青蘭流の川崎支部長を務めながら、中原区役所や国際交流センターで、来場者を迎える花の担当もしている。季節感を大事にしつつ、おもてなしの心で創作する。「生けた以上は、見てくれる人のことを思って、できるかぎり毎日様子を見に行く」という。それは「一期一会の心が大事」という信念からだ。「お花やお茶、もちろん人生も、その瞬間は二度と来ない。だからこそ、おもてなしの心を持って接していきたいんです」
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3月22日
3月15日