アルテリッカしんゆり2011で親子向けコンサートの指揮者を務める 堀 俊輔さん 川口市在住 60歳
子どもに”本物”届けたい
○…東京交響楽団、中部フィルハーモニーなど名だたるオーケストラの指揮者としてクオリティの高い音楽を追求する傍ら、子ども向けのファミリーコンサートにも精力的に取り組む。「クラシックは硬い、難解、敷居が高いというイメージが先行しがち。もっと身近な存在に思ってもらうためにはこちらがうんと努力しなければ」。ひとたび幕が上がればバッハ風のかつらと衣装で子どもたちの心をひきつける。マエストロ堀が子どもたちの人気者”ホリヤン”に姿を変える。
○…1950年、大阪生まれ。教育熱心な母親のすすめでピアノ、そろばん、習字、英会話などを始めた。一番夢中になったのが音符との駆け引き。人を喜ばせたい一心でテクニックを磨きに磨いた。東京藝術大学卒業後は国内外のコンクールで活躍。研鑽の日々の中でファミリーコンサートと出会った。「子どもに聴かせる音楽。何をすべきか最初は戸惑った。どうしたら喜んでくれるか、興味をもってもらえるか試行錯誤が続いた」
○…初めて触れる音楽は本物であるべき、と決して易しい曲は選ばない。”ツウ好み”の選曲に愉快なパフォーマンスで味付けをする。「料理で言ったら、僕が目指すのはお子様ランチじゃない。お子様向けに一流の特別料理を作りたい」。本物に触れた子どもたちはいくつになってもその味を求め再来する。「いつかこの子たちが自分の子を連れて来場してくれれば」。再会を楽しみに全国をまわる。
○…アルテリッカ開幕直後の4月30日のコンサートに向け、準備を重ねる。地元百合丘の「ゆりがおか児童合唱団」とのコラボは見所のひとつ。「100人を超えるオーケストラと子どもたちの歌声が織りなす”化学反応”をぜひ身体と心で感じ取ってもらいたい」。子どもたちの心にクラシックへの興味がいつか芽生えるその日まで。音楽が持つパワーを信じ、情熱のタクトを振る。
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