映画で三陸鉄道を支援 区内NPOと制作会社が全国上映会
東北を舞台に撮影された2本の映画を全国で上映し、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地の鉄道を支援するプロジェクトが区内NPOと制作会社の手で立ち上がった。主催者らは今後、川崎市7区での上映を目指し、数年をかけ全国を巡回する”支援の輪”をつくりたいとしている。
「”復興へのエール”川崎から」
同プロジェクトは日本映画学校(現日本映画大学)の学生が撮った1本の卒業制作の存在から始まった。岩手県出身の鈴木宏子さんが2008年に制作した『おらほの鉄道〜三鉄沿線奮闘記』は、岩手県沿岸部を走る三陸鉄道とともに生きる人々の苦楽を記録したドキュメンタリー。東日本大震災で甚大な被害を受けいまだ復興の見通しがたっていない南リアス線をはじめ、震災前の鉄道の姿を記録している。
日本映画大学の相談役で映画監督の武重邦夫氏は、震災後すぐに卒業生である鈴木さんが撮った同作品を全国の人に見てもらい、復興に役立てたいと各方面に働きかけていた。区内で上映企画などに携わるNPO法人「KAWASAKIアーツ」、映画製作会社の(株)シネマネストJAPANなどがこの動きに賛同し、全国巡回上映の一大プロジェクトが立ち上がったという。
主催者らは新潟県中越地震で被災した山古志村の復興を5年に渡り記録した『1000年の山古志』も上映作品に加え、復興をテーマに2本立てで全国をまわりたいとしている。
今後は川崎市7区での上映を目指し、数年間をかけ全国各地で上映会を行う。経費を除いたすべての収益は三陸鉄道と沿線の人々に届けられる。この申し出に三陸鉄道や現地の人々は「本当にありがたい。私たちの愛する三陸鉄道のために、多くの皆さんが協力してくれることに感謝します」と話しているという。
2作品は7月25日(月)、川崎市アートセンター(アルテリオ映像館)で最初の上映が行われる。午前10時、午後2時、6時半の3回上映。毎上映後に鈴木宏子さんの監督トークを実施する予定。前売り、当日ともに1500円。前売り券は川崎市アートセンター受付で販売している。
問い合わせはNPO法人KAWASAKIアーツ事務局【電話】044(953)7652へ。
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