"立ち場の違い"越え繋がる地域を 西塔之越自治会 山中照三さん
東百合丘1丁目の世帯が加入する西塔之越自治会。約250世帯が住む地域で「住民同士が助け合える環境をつくりたい」と、奔走するのが山中照三(73)さんだ。
西塔之越自治会ではこれまで近隣住民同士のつながりが薄く、地域住民から積極的な活動を求める声が上がっていた。高齢者の介護予防活動を担う「すこやか活動」の代表として様々な相談を受けていた山中さんは、人と人とがつながることができる地域をつくりたいと立ち上がった。平成12年には住民同士で自主グループ「手をつなぐ会」を発足。自主防災や防犯パトロール、もちつき大会、みかん狩りなど地域住民の交流の機会を設けている。今年3月には自治会と同会が協力し、より良い地域連携が可能になった。
今でも山中さんを頼る人は後を絶たない。「道路に標識を立てて欲しい」「雨で下水があふれ、水が出てくる」。次々と住民から寄せられる相談に、山中さんは真剣に向き合う。「困っている人の顔を見るとほうっておけない」とこれまでの人脈や知恵を総動員し、地域の課題に取り組む。今年4月には身体が不自由な高齢者のために「地域ボランティア応援係」を立ち上げた。メンバーは大工や水道事業者など約20人。電球の取替えや火災報知機の設置など高齢者の生活支援を担っている。
子どもから大人まで幅広い世代が暮らす地域で、”人のつながり”を作りたいという初心は全く色あせない。「隣近所に誰が住んでいるか分からない地域ではなく、すれ違った時に自然と挨拶ができるような関係性を育んでいきたい」。隣近所が安心して暮らせる地域を目指し、山中さんは今日も地域を駆け巡る。
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