川崎市12年度予算案 災害対策、子育てに重点 一般会計5,956億円は3年ぶり減
阿部孝夫市長は今月8日、2012年度川崎市予算案を発表した。一般会計は前年度比3・6%減の約5956億円で3年ぶりの減。厳しい経済状況下でも様々な課題の克服に向け最大限努力する「課題克服努力予算」とし、災害対策や子育て・高齢者施策等に重点を置いた。【数値は単位未満を四捨五入】
全会計の合計は前年度比6・8%減の約1兆2347億円。特別会計は9・4%減の約4393億円、企業会計は9・8%減の約1998億円を計上した。
一般会計の歳入では、市税が2794億円(構成比46・9%)。固定資産税は減となるものの扶養控除の見直しによる個人の市民税が増となり、全体では前年度と同程度を確保した。不足財源については減債基金から95億円を借り入れる。
歳出では、健康福祉費が1277億円(同21・4%)。被保護世帯の増による生活保護扶助費や後期高齢者医療負担金の増などにより44億円増。市民費は71億円(同1・2%)で、ミューザ川崎シンフォニーホール復旧工事の事業費増などから12億円の増。人件費は970億円(同16・3%)。職員数の削減や、退職手当が28億円減となることなどから43億円の減となった。
財政の健全化を表す指標の一つ、プライマリーバランス(基礎的財政収支)は黒字を確保した。
具体的な取組では、災害に強いまちづくりに向けた総予算額163億1328万円を計上。新たな災害に備える予算として136億8819万円を見込んだ。
防災冊子・マップ等の作成や民間建築物の耐震化促進、臨海部の災害対策といった「自助力の強化育成」(5億9412万円)、自主防災組織等の活性化や消防団による自助・共助能力向上対策、町内会・自治会会館の耐震化支援といった「共助意識の醸成」(8426万円)、地震被害想定調査や帰宅困難者対策の強化、災害時の要援護者等への支援、非常用物資の備蓄の充実、公共施設の耐震対策の推進といった「公助機能の充実」(130億981万円)を盛り込んだ。
保育受け入れ枠を拡大
子育て施策では、多様な保育の充実に257億5045万円を計上。認可保育所の整備や認可外保育事業の充実を進める。保育受入枠を現在の1万8478人から2万502人に増員する計画。
小児医療費等の助成(42億3206万円)では対象年齢を小学校就学前から小学1年生に拡大する。保育料補助の拡充等を図る幼児教育の振興(24億6153万円)、地域子育て支援の推進(4億1201万円)等にも取り組む。
高齢者施策の充実では特別養護老人ホーム等の整備(46億8411万円)、健康づくり・介護予防の推進(18億725万円)、認知症高齢者施策の推進(1億7882万円)、介護保険サービス・在宅福祉サービスの推進(653億4679万円)を盛り込んだ。
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