9月23日に麻生市民館大ホールで舞台「日本伝統芸能の華」を開催する 藤間 勘七孝さん 上麻生在住 74歳
古典芸能の魅力を世界へ
○…日本舞踊の師範として多くの弟子をもつ。持ち味は身近な題材をもとに1から作り上げる舞台。独自の世界観が評判を呼び、世界中で公演を重ねる。麻生区分区の際には市民館の建設準備委員として大ホールの設計にも携わるなど、「芸術のまち麻生」の礎を築いた。来月23日には同ホールで禅師丸柿などをテーマにした舞台「日本伝統芸能の華」を披露する。
○…1938年東京生まれ。小学生の時に疎開先の埼玉県で目にした祭りの舞踊に魅せられ、戦後間もなく踊りを始めた。30歳で夫の転勤に伴いニューヨークに渡る。現地の大学に通い、様々な文化の踊りに触れた。「本場のミュージカルは、ものすごく華やかでリズミカルで刺激的。衝撃を受けた」。他国の文化に惹かれていた自分に、異国の友人がかけた一言にはっとさせられた。『あなたの国はアメリカと違い、長い歴史と独自の伝統文化を持っている。それを大切にして欲しい』。以来、様々な文化を取り入れながらも伝統を重んじた舞台づくりを行っている。
○…舞台の題材には、地元に伝わる伝承や、エピソードを好んで使用する。中でも評判を呼んだのは、地域に伝わる「金色姫」の伝説をモチーフにした「シルクロード〜金色姫物語〜」。昨年は中国杭州のファッションショーの舞台上で演じ、喝采を浴びた。「表現には限界や国境がない。そこが踊りの面白いところ」
○…今後の目標は「古典芸能の素晴らしさを伝え、後進を育てること」。小学校での体験教室などを積極的に行っている。来月の舞台では柿の実幼稚園の園児らと共演し、禅師丸柿の原木を演じる。15年前にも同じテーマを扱ったが、その心情は一変した。「以前は柿の木が次々と切られ、忘れられゆく禅師丸柿の寂しさを表現した。今年は区の指定木になるなど、再度脚光を浴び始めた柿の木の嬉しさを表現したい」。更なる深みをめざし、世界の舞台で舞い続ける。
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