音楽とカフェの融合公演「珈琲物語〜バッハとカフェーと大正ロマン〜」を企画した 佐々木 萌子さん 昭和音楽大学音楽学部3年
地域に根ざした企画生み出す
○…5月の連休中に行われる川崎市北部の芸術祭「アルテリッカしんゆり」でコンサート「珈琲物語」を企画した。アートマネジメントコースで演奏会の企画・運営を学ぶ。授業で提出した企画が芸術祭関係者の目にとまり、夢に見た”自分の演奏会”がかたちになるチャンスをつかんだ。演奏会を裏方で支える仕事は出演交渉からスケジュール調整、会場の準備など多岐にわたった。「支えてくれた多くの人に感謝の気持ちでいっぱい。企画の仕事がまた好きになった」
〇…1992年、相模原市生まれ。幼少の頃から母親と地域の音楽ホールに足を運んだ。小学生の頃、地元ホールが主催したゴスペルのワークショップに参加。米国から招いたプロの歌手と市民が一緒になって歌う体験が音楽の道を志すきっかけとなった。「皆をひとつにする音楽の魅力ももちろん感じたが、そうした機会を生み出した企画者の素晴らしさに感動を覚えた」。大好きな音楽をひとりでも多くの人に届ける仕事を将来の目標においた瞬間だった。
〇…カフェと音楽の融合を図る今回の企画は、ずっと実現したいと思っていたアイデアだった。「バッハと言えば多くの人が荘厳な教会音楽などを想像すると思う。彼がコーヒー好きで定期的にコーヒーハウスで演奏を行っていたことはあまり知られていないけれど、音楽は本来、もっと身近にあるものだと」。一杯の珈琲が繋ぐ音楽の世界感を味わってもらおうと、休憩時間には珈琲を提供する試みを取り入れた。
〇…将来は地域ホールを盛り上げられるような企画者になるのが夢。大きなホールで盛大なコンサートもいいけれど、いつも心の隅には「地域」がある。「やはり、幼い頃に体験したあの感動がいつも心にある。自分の企画で地域の人たちに感動を届けたい。地域のホールが元気になれば、そんなに嬉しいことはない」。今回の企画に取り組み、その思いを新たにした。
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