第5代麻生消防団長として団員たちをまとめる 土方(ひじかた)泰司(たいじ)さん 片平在住 62歳
試練乗り越え地元の為に
○…「自分たちの街は自分たちで守る」という理念を伝統として引き継ぎ、地域の安全を守っていく。「責任重大だと感じている。すばらしい先輩方や仲間に囲まれ、団長になることができた」と微笑む。平均年齢が44・6歳と比較的若い136人の団員たちをまとめる。「フットワークのよい消防団をめざし、地域に貢献していきたい」
○…生まれも育ちも片平。実家は代々酒屋だった。16歳の時に父親を亡くし、高校に通いながら店を手伝った。「当時は学校から帰ると、50kg近くに及ぶ日本酒の入った木の箱を担いで走り回っていた」と鍛え上げられた腕をのぞかせる。約40年前には台風による土砂崩れで、店舗兼自宅が倒壊。消防団や地元の人々が瓦礫の山を片づけるのを献身的に手伝ってくれた。「本当に助かった。その時の恩返しをしたいと思い、消防団に入ることを決意した」。35年間消防団員として尽力。酒屋のトラックで火災現場に飛んでいくこともあった。「厳しい状況でも、なんとかしようという気持ちを大切にしてやってきた」と熱く語る。
○…仕事の関係で、特に片平や柿生などの地域にはネットワークを広くもつ。川崎小売酒販組合北支部では麻生区ブロックの役員などを務めてきた。組合のメンバーで蔵元で研修などを行ったり、商売の仕方などを話し合ったりし、地域を活性しようと力を注いできた。生まれ育った地元を大事にしようという思いが強い。
○…防災力の向上を掲げ、団員たちそれぞれの技術向上をはかる。そのためにも、日々訓練を積み、来年行われる操法大会でも上位を狙っていく考えだ。9月1日の「防災の日」を前に「最近はコンロの火のつけっぱなしによる火災が多い。料理の時など放置火災には気をつけてほしい」と注意を呼びかける。自らの体験を教訓に、防災・火災予防の重要性を地元へ訴えかけていく。
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