柿生禅寺丸柿保存会の会長を務める 水野 英雄さん 王禅寺東在住 71歳
王禅寺の味を守り、伝える
○…4代目会長として禅寺丸柿発見800周年を記念したイベントを21日に無事終え、「地元の自信作をたくさんの方に知っていただくことができ嬉しい」と笑顔を見せる。イベントはひと段落したが、12月下旬に販売されるワインの出来が気になる。「不作だった昨年と比べて今年は、多く出荷できそうで一安心ですね」と少しホッとした表情で話す。
○…生まれた時から住む王禅寺東の実家は、歴史が古く何百年も前から代々引き継いでいるもの。「墓石を見ると元禄と書かれている先祖の名前もあるかな」。3歳の時に父親が戦死し、柿生中学卒業と同時に農家として働き始めた。トマト、きゅうり、いちご、米などと一緒に禅寺丸柿も作ってきた。自宅内には7本の柿の木があり「100年、200年と続く木で柿を作ることができるのは名誉なこと」と代々受け継がれてきた木への思いを語る。「実は小さくて種は多いが、味には絶対の自信がある」。柿を食べ、喜んでもらうことが作り手としてのやりがい、生きがいだ。
○…趣味であるゴルフを通じて地域で交流をしようと約20年前に結成された「王禅寺ゴルフ会」の発起人の一人。初代会長を務め、地域で輪を作ろうと農家以外の様々な人も参加者として募った。「一日中、一緒にプレーすることで、お互いを知り地域で繋がりができると考えたんです」。現在は会長職が忙しく参加できていないが、ゴルフ会が続いていることに喜びを感じている。
○…「小学校で柿の話をし、児童に食べてもらったら、甘くて美味しいと言ってくれたことが嬉しかった」。会長として禅寺丸柿を子どもたちに伝承していく使命を担う。同時に、800年続く郷土資源である木の保全にも力を入れる。「今後はワイン以外の商品も作れたら」。子どものころから食べ、農家として育ててきた地元・王禅寺の味を守り、伝えていく。
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