小田急バス株式会社は12月16日から来年4月15日まで、川崎市の支援制度を活用した市内初の増便社会実験を行う。既存路線の新百合ヶ丘駅―向原間で、沿線地域の高齢化に対する対策として日中の時間帯の増便を行い、需要や利用実態を調査。結果を踏まえ、本格運行への移行を判断する。
小田急バス(株)は今回、今年4月に創設された川崎市の「路線バス社会実験支援制度」を活用。市は地域交通の基本をバスと考え、実験により事業者に赤字額が出た場合に市が半分を補てん、地域住民や利用者への調査費用は市が負担する。実験路線の小田急バス新04系統新百合ヶ丘駅―向原間(3・03Km)では現在、平日の午前9時から午後4時台までと土曜・休日の午前8時から午後3時台までは30分に1本のペースで運行されている。これに対し、実験中は20分に1本のペースで運行される。
麻生区内は市バスの停留所が市内他区と比べて少なく、狭い道路や急な坂道が多い地域。特に向原、金程地区の高齢化率は21%を越えており、市内の平均18・4%よりも高く(2014年3月末日現在)、高齢者の足不足に課題があった。日中の時間帯の増便により、高齢者や障害者をはじめとする誰もが安心して利用できる利便性の向上を目指していく。小田急バス(株)によると「少なからず沿線地域の方から、昼間の増便を要望する声が以前からあった」という。
また、新百合ヶ丘駅へのアクセス向上は「川崎市総合都市交通計画」で掲げる取組の1つであり、市交通政策室地域交通対策担当は「市の広域拠点である新百合ヶ丘駅から金程・向原地区を結ぶ交通需要への対応として効果が期待される」としている。小田急バス(株)は「利便性向上につながるか、実験をしてみて判断する。期間中、地域の皆様にご協力いただきたい」としている。増便社会実験に関する問い合わせは市地域交通対策担当(【電話】044・200・2034)へ。
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